父親がハゲている、祖父がハゲているということは自分もハゲてしまうのでは…?そう不安に感じている人も多いはず。
実際、遺伝するのか気になるところですが、残念ながら答えはイエス!ハゲは遺伝してしまう可能性があるのです。
ハゲはどのように遺伝するのか、自分は薄毛になる可能性はあるのか、気になる情報を詳しくチェックしていきましょう。
ハゲは遺伝するってホント!?
身体の色々な情報を保持している遺伝子ですが、実はハゲや薄毛にも遺伝子が関係しています。
ハゲが遺伝すると言われる理由、それが5αリダクターゼとアンドロゲンレセプターの感受性です。
この2つについて、それぞれご紹介していきましょう。
5αリダクターゼ
男性の薄毛の要因として最も多いAGA(男性型脱毛症)。その原因は、男性ホルモンが5αリダクターゼによってDHTという物質を生成し、それがヘアサイクルを乱してしまうためです。
つまり、5αリダクターゼが働かない、少ない方が、薄毛リスクは低くなるわけですね。
この5αリダクターゼの分泌量が遺伝によって異なると言われています。特に5αリダクターゼは前髪の生え際や頭頂部付近に多いと考えられ、AGAの特徴であるM字ハゲや頭頂部の薄毛の要因となってしまうのです。
AGAの進行パターンについて詳しく知りたい方は、こちらAGAの進行パターンを解説します!の記事を参照してください。
5αリダクターゼは両親から遺伝するものであり、両親どちらか活性の高い方が影響します。
アンドロゲンレセプター
アンドロゲンレセプターは、アンドロゲン受容体ともいます。
実はDHTが生成するだけではAGAにはならず、このDHTがアンドロゲンレセプターと結びつくことでヘアサイクルが乱れ、AGAに繋がっていくのです。
つまり、アンドロゲンレセプターの感受性が高く、よりDHTと結びつきやすいとハゲになりやすいと言えるのです。
だからこそ、AGAはDHTの生成を抑える、阻害する方法での治療が行われるのです。
AGAの原因や治療法についてもっと知りたい方は、こちらAGAとは?原因と治療方法を大解説!らの記事で詳しく紹介しています。
自分が遺伝してるかどうか、ハゲる遺伝子を持っているかどうか、気になるところだ。
ハゲが遺伝する確率は25~75%!?
では、実際どのくらいの確立でハゲ・薄毛は遺伝するのでしょうか。AGAに関する薄毛は、25~75%程度の確率で遺伝すると言われています。確立に幅があるのは、医師の見解が異なるためです。
後程詳しくご紹介しますが、母方の祖父がもしハゲていたら50%の可能性で遺伝する、とする医師もいれば、祖父のアンドロゲンレセプターの感受性が孫に遺伝する確率は25%としている医師もいます。
しかし、ここでしっかり押さえておきたいのは、遺伝によってハゲる可能性が100%ではないということ。遺伝以外の要因によって薄毛になる可能性も、遺伝によってハゲる可能性と同じくらいあるのです。
AGAの直接的な原因はあくまでも男性ホルモンによる影響であり、食生活などの生活習慣の乱れや頭皮環境の悪化によって引き起こされる可能性もあります。
自分はAGAの可能性があるのか気になる、不安だ、という方には、こちらの記事をチェックしてみると良いでしょう。
まずは遺伝以外の要因でハゲないよう、普段の生活に気を付けることにしよう。
気にすべきは父親より母方祖父の薄毛
5αリダクターゼの感受性については、両親どちらからも遺伝する可能性があるものです。
しかし、アンドロゲンレセプターの感受性は隔世遺伝であり、母方の祖父からの遺伝になります。
つまり、母方の祖父がハゲている場合、自分にハゲの遺伝子が遺伝している可能性があるということになります。
男性のことばかり気にしてしまうけど、女性も同じように薄毛が遺伝する可能性はあるのかしら?
ただ、女性も女性男性型脱毛症(FAGA)になることはあります。女性ホルモンが減少してくる年齢からは、意識しておきたいですね。
自分はハゲてしまう遺伝子を受け継いでいるのか、それは遺伝子検査でチェックすることができます。
アンドロゲンレセプターの受容性が高いかどうかは、遺伝子の塩基配列によって判断できるのです。
シトシン(C)、グアニン(G)、アデニン(A)というDNA塩基配列が、CAGやGGCの繰り返しになっている数によってAGAのリスクを判断するというものです。
CAGの繰り返している数をCGAリピート、GGCの繰り返している数をGGCリピートと言い、2つのリピートの合計数からリスクを判断するわけですね。
CAGリピート数 GGCリピート数の合計 |
アンドロゲンレセプターの感受性 | AGA発症リスク |
---|---|---|
38より多い | 低い | 低い |
38より少ない | 多い | 高い |
AGA遺伝子検査の方法や費用については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
AGAが気になる人、心配な人は、一度検査をすることを考えても良さそうだ。
遺伝性のハゲを治す方法とは
遺伝性のハゲを治す、つまりそれはAGAの治療をするということになります。
AGAを治療する方法としては、2つの方法があります。
- 育毛剤の使用
- クリニックで治療する(外用薬や内服薬等による治療)
それぞれの方法について、ご紹介していきましょう。
育毛剤の使用
AGAの要因は、生成されたDHTによるヘアサイクルの乱れです。
DHT生成を阻害する成分が配合された育毛剤を使うことで、AGAの進行を抑える効果が期待できます。
DHTの生成を阻害する成分として知られているのが、以下の成分です。
- プロペシア
- キャピキシル
プロペシアはAGA治療薬として推奨されている成分ですが、同時に副作用リスクがあるという点に注意が必要です。
プロペシアの効果や副作用について興味がある方は、こちらプロペシア(フィナステリド)の効果や副作用など大解説!の記事でチェックしてください。
キャピキシルは医学的な効果が認められたわけではありませんが、DHTの阻害効果があるという実験結果が出ました。そして何よりも、副作用リスクがないという魅力があります。
キャピキシルについては、こちらキャピキシルとは?その効果や含まれている育毛剤をご紹介の記事で特集しています。
クリニックでの治療
AGA専門クリニックで治療することは、多くのメリットがある。
- 患者1人1人の症状・原因に応じた治療が可能
- 治療経過をしっかりチェックしてもらえる
AGAが原因の場合は、プロペシアやミノキシジルなどの治療薬を使用するだけでなく、育毛メソセラピーや生活習慣の改善、サプリメントの使用など、様々な方法で治療を行うことが可能です。
AGAが原因でない薄毛も、専門クリニックのノウハウによって適切な治療を受けることができるので安心です。
AGAクリニックでの治療については、こちらの記事で特集しています。
育毛剤と専門クリニックでの治療、どちらを選べば良いのだ?
まずクリニックに行くことに抵抗があれば育毛剤を試してみて、効果が得られなくなってからクリニックへ、としても良いでしょう。
遺伝とは限らない!?原因を正しく把握しなければ薄毛は治らない
ハゲは遺伝する可能性がありますが、すべてのハゲが遺伝によって引き起こされているわけではありません。
遺伝の他にも、薄毛やハゲの要因はあるのです。男性に見られる脱毛症としては、以下の物が挙げられます。
- 脂漏性脱毛症
- 円形脱毛症
- 粃糠性脱毛症
他にも、特に女性に多く見られる脱毛症としてびまん性脱毛症や牽引性脱毛症が挙げられますね。
これらの薄毛について、その症状、原因、そして対策をチェックしていきましょう。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌が原因で引き起こされる脱毛症です。
皮脂が過剰分泌することで、頭皮や毛穴に炎症が引き起こされ髪が細く弱くなり、抜け毛が増えるというものですね。
頭皮の乾燥や脂肪分の多い食事によって引き起こされる場合があるので、頭皮の洗いすぎや食生活に注意したいですね。
脂漏性脱毛症についての詳しい情報は、こちらでチェックしてください。
【脂漏性脱毛症】抜け毛と頭皮のべたつきが気になる人は必見!
円形脱毛症
円形脱毛症はストレスが原因だというイメージが強いですが、実は免疫機能の異常によって引き起こされるものです。
ストレスはもちろんですが、他にもアレルギーなどが原因として挙げられます。
円形脱毛症の治療としては、どのようなものがあるのだ?
ストレスが原因の場合はストレスの解消、そして栄養バランスの取れた食事や規則正しい生活によって改善しますが、症状が長引く場合は治療が必要な場合もあります。
円形脱毛症について興味がある方は、こちらの記事がおすすめです。
円形脱毛症の原因や治療を徹底解説!AGAとの違いはどこにある?
粃糠性脱毛症
粃糠性脱毛症は、大量のフケが原因で薄毛になるというものです。
フケによって頭皮環境が悪化し、マラセチア菌が異常繁殖することで薄毛を引き起こしてしまいます。
マラセチア菌による自分で症状を改善することが難しく、薄毛は病院での治療が必要となります。
粃糠性(ひこうせい)脱毛症については、こちら大量のフケと抜け毛が!ひこう性脱毛症の症状かもしれませんの記事で特集しています。
薄毛の種類とその原因については、しっかりチェックしておかなくては。
ハゲる遺伝子は母方の祖父から遺伝する可能性があった
要因として、5αリダクターゼによるAGAが考えられます。このAGAは5αリダクターゼの活性とアンドロゲンレセプターの感受性によって決まりますが、これが遺伝するのです。
5αリダクターゼの活性については両親それぞれから引き継がれる可能性がありますが、アンドロゲンレセプターの感受性は母親から遺伝します。つまり、母方の祖父がAGAによる薄毛だった場合、薄毛遺伝子を引き継いでいる可能性があります。
ただ、遺伝子だけで薄毛になるとは限らず、生活習慣なども要因となるので普段から規則正しい生活を送るよう意識したいですね。
しかし、ハゲは遺伝によって引き起こされるとは限らない。様々な要因がハゲに繋がることを自覚し、普段の生活に注意するようにしたいものだな。
DHTが出来ても、そのレセプターと結びつかなければAGAにはならないのか…。レセプターと結合しないようにすることは出来ないのか?