「体毛が濃い人はハゲになる!」というウワサを聞いたことはありませんか?これってホントなのか気になりますよね。そこで、まずは体毛と頭髪の関係を紹介していきます。
そして、その後に男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が重なると、ハゲてしまうというハミルトンの実験結果を参考にしながら、体毛が濃い人はホントにハゲてしまうのか、説明していきますよ。
最後には、ハゲる原因ともなる男性ホルモンの過剰分泌を抑える方法も紹介していきますので、体毛が濃いから、将来ハゲるのではないかと心配になっている、そこのあなた!ぜひ実践してみてくださいね。
意外と知らない!体毛と頭髪の違い
体毛と頭髪の違いは、ヘアサイクルとホルモンに見ることができます。
体毛と頭髪のヘアサイクルの違い
ヘアサイクルについてアデランスのサイトから引用して説明します。
ヘアサイクルについて
髪の毛には寿命があります。
一定期間伸びると伸びるのを停止して、抜け落ちてしまいます。それと同時に同じ毛穴から新しい毛が生えるのです。
このような髪の一生をヘアサイクルと呼びます。
体毛と頭髪ではこのヘア・サイクルの長さが異なります。それにはホルモンの違いが関係しています。
体毛と頭髪のホルモンの違い
すね毛やヒゲが濃いというのは、男性ホルモンが関係しています。頭髪に比べるとヘアサイクルは短いため、長く伸びる必要が無いのですね。一方、髪の毛には女性ホルモンが関係しています。頭髪が長く伸びる理由に、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには以下の作用があるからです。
- 髪の毛の成長を促す
- 髪の毛の成長期間を持続させる
ホルモンと特徴を表にすると以下になります。
部位 | ホルモン | 特徴 |
---|---|---|
体毛 | 主に男性ホルモン | 長く伸びない |
頭髪 | 主に女性ホルモン | 長く伸びる |
つまり、体毛は男性ホルモンが多いため毛が濃くなりやすく、頭髪は女性ホルモンが多いため長く伸びると言えます。
髪の毛に関して具体的に言えば、側頭部や後頭部が男性ホルモンの影響を受けやすく、おでこや前髪頭のてっぺんなどは女性ホルモンの影響を受けやすくなっていますよ。
なるほど!体毛と頭髪はヘアサイクルや関係するホルモンが違っていたんだな。
ヘアサイクルは体毛は短く、頭髪は長い。そしてホルモンでの違いは体毛の男性ホルモンは濃くなり、頭髪の女性ホルモンは成長を促しているのか。
これで納得!「体毛の濃い人はハゲる」と言われる理由
そもそも「体毛の濃い人はハゲになる」と言われるようになったのはなぜでしょう?「男性ホルモンが多いから」と答える人が多いですね。では、なぜ男性ホルモンが多いとハゲになると思われているのでしょうか。実は「体毛が濃いとハゲになる」と思われたのには理由があるのです。
誤解されているハミルトンの実験結果!
薄毛に悩む人は、女性に比べ圧倒的に男性に多いですよね。そこで「男性ホルモンの分泌がハゲに関係あるのではないか?」という仮説を立てて行われたのがハミルトンの実験と言われているものです。
アメリカのJ・B・ハミルトン氏によって1942年に行われた実験であるため「ハミルトンの実験」と呼ばれています。
どのような実験であったか簡単に説明しますと男性ホルモンを作る睾丸を摘出し、摘出前と摘出後でハゲの進行がどうなったかを実験したのです。
結果としては主に下記に分けられました。
頭髪の特徴 | ハゲの進行 |
---|---|
ハゲている人 | 止まる |
ハゲていない人 | 変わらずハゲない |
ハゲていない人はそのままハゲないで、ハゲていた人はハゲの進行が止まったことから、男性ホルモンはハゲの要因の一つと言えますね。また、以下の実験結果もあります。
睾丸を取り出す人の状態 | 睾丸を取り出した後、男性ホルモンを注射 |
---|---|
ハゲ進行中の人 | 再びハゲる |
ハゲていない人 | ハゲない |
ここで注目したいのは、「ハゲていない人は男性ホルモンを注射されてもハゲない」ということです。つまり、いくら男性ホルモンを体内にとりいれても、もう一つの要因が揃わなければハゲないことがわかったのです!では、「もう一つの要因とは何か」見ていきましょう。
男性ホルモンと5αリダクターゼがハゲの原因!
もう一つの要因とは「5αリダクターゼ」になります。これは、毛乳頭や皮脂腺にある酵素になります。この酵素と、男性ホルモン(テストステロン)が結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化するのです。
DHTは毛乳頭にあるアンドロゲンレセプターと結びつき、脱毛因子「TGF-β」を増やします。このTGF-βは毛母細胞が細胞分裂する時に起きるタンパク合成を邪魔するのです。そうすると、細胞分裂が出来なくなってしまい、通常のヘアサイクルより早い段階で退行期へ向かうことになるのです。
↓
ジヒドロテストステロン(DHT)に変化
↓
DHT+アンドロゲンレセプター
↓
TGF-βを増やす
↓
TGF-βは毛髪のタンパク合成を阻害
↓
タンパク合成を阻害され、細胞分裂できないため、退行期へ向かう
つまり、「体毛が濃い人はハゲる」と言われる理由は、男性ホルモンの関係で、あながちウソではないですが、ハゲるにはもう一つ5αリダクターゼが必要となりますね。
※※ジヒドロテストステロンについて知りたい方はコチラ
「体毛が濃い人はハゲる」は、あながちウソではないのか!男性ホルモンと5αリダクターゼが結合すると脱毛因子を増やしてしまう。
この脱毛因子が増えてしまうと、退行期→休止期となって髪の毛が生えてこなくなるじゃないか!
知っておきたい!男性ホルモンの過剰分泌は抑えることができる
いよいよ、ハゲないための予防法を見ていきましょう。男性ホルモンの過剰分泌を抑える方法を紹介していきますね。
まずは基本的な食生活・生活習慣を見直す!
それでは、ハゲる食生活・生活習慣を見直していきましょう。以下のような食生活・生活習慣はハゲの原因となりますよ。
- ジャンクフードやファーストフードを頻繁に食べる
- お腹いっぱいまで食べてしまう
- 脂っこい食事が大好き!
- 食事は外食が中心
- 毎日晩酌をする
- 寝る前まで何かを食べている
- タバコを吸う
- ストレス
- 睡眠不足
これらの食生活や生活習慣の乱れを改善して、男性ホルモンが多く分泌される夜中には、ぐっすり眠って身体のリズムを整えましょう。バランスの良い食事や早寝・早起きの習慣で男性ホルモンの分泌を抑えましょう。
また、ハゲないためにはストレスを溜めないことも大切です。「ストレスが溜まってきたな…」と感じたら、休息をとってストレスを解消しましょう。
食生活を見直しても改善できない!そんな時は医薬品に頼ってみる
男性ホルモンの抑制はできても、5αリダクターゼと結合するかは別の話しですね。しかし、男性ホルモンを抑制することで結合する可能性が減ります。そこで、医師に処方してもらって購入できる医薬品があります。有名なのは「フィナステリド」や「デュタステリド」ですね。
この治療薬は男性型脱毛症に有効で、男性ホルモンと5αリダクターゼの結合を抑制する働きがあります。頭部の発毛を促進させ、抜け毛の進行を止めるのでピッタリな薬ですよね。
食べ物で気軽に女性ホルモンを増やす方法!
男性ホルモンの量を減らすのは食生活・生活習慣の見直しと書きましたが、女性ホルモンを増やすように心がける方法もあります。以下が女性ホルモンを増やす食材ですよ。
- 豆腐
- 豆乳
- 納豆
- 味噌
- 紅茶豆乳
- 牡蠣
- 豚肉
- 黒ゴマ
気づきましたか?豆腐や豆乳などは大豆製品ですね。その中のイソフラボンが女性ホルモンの量を増やすのです。また、イソフラボンと紅茶の組み合わせも男性ホルモンの抑制に良いですよ。そして、牡蠣・豚肉・黒ゴマは亜鉛の摂取ですね。
食べ物で女性ホルモンを増やす方法まであるなんてな!
必見!体毛の濃さと薄毛の関係のポイント
いかがでしたか?体毛が濃いからと言って必ずしもハゲるわけではないと言うことがお解りいただけたかと思います。今、ヒゲが濃くても近い将来ハゲるとも限らないのです。
最後に、体毛と頭髪の関係を簡単にまとめておきますね。
ホルモンの種類 | 特徴 |
---|---|
男性ホルモン | 体毛の発育を促進させる |
女性ホルモン | 毛髪の発育を促進させる |
男性は男性ホルモンが多いため、体毛が濃くなります。そして、男性ホルモンが5αリダクターゼと結合すると、毛髪の成長期が短くなり退行期→休止期へ向かいます。
男性ホルモンを抑える方法としては以下になります。
- 食生活を見直す
- 生活習慣を見直す
- 医薬品に頼ってみる
- ストレスを溜めない
すね毛やヒゲが濃いからと言って、必ず将来ハゲるわけではありません。ハゲるには、脱毛・薄毛になる仕組みがあるのです。そのため男性ホルモンが多いからと言って、必ずしもハゲるわけではないのですが、不安を解消するために男性ホルモンを抑える方法を実践してみるのも良いですね。
なるほど!体毛が濃いの事と頭髪が薄くなることは関係がない事がよくわかったぞ。
しかし、ハミルトンさんはえげつない実験をしていたたんだな!
縮上がったんだぜ!