だんだん進行していくという、とっても厄介な特徴を持つAGA。こんなものとは一生無縁のまま過ごせたらどんなにいいかと、男性ならきっと誰もが一度は考えますよね。
でも、なぜAGAになる人と、ならない人がいるのでしょう?そもそもAGAの原因って一体何なのでしょう?
そこを理解しておけば、予防的にも治療的にも有効な手立てが見つかるかもしれません。そこで今回は、深遠で複雑なAGAの原因を探ってみました。
少々難しいお話ではありますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
どうしてなるの?AGAの原因はジヒドロテストステロンにあった!
最近、耳にすることが多くなったAGAですが、その原因とはいったいどんなことなのでしょうか。「遺伝じゃないの?」「生活習慣も原因って聞いたけど…」と思われる方もいることと思います。
これはどちらも正解ですが、どちらもじゅうぶんな答えではありません。それでは、もっと詳しくAGAの原因を見ていきましょう。
原因はジヒドロテストステロン
皆さんは、「ジヒドロテストステロン」という言葉を聞いたことがありますか?初見で読むのもちょっと苦労するくらい、長くて難解な感じがするこの言葉こそが、AGAの原因と言われているものなんです。
AGAには遺伝も大いに関係すると言われていますが、遺伝的にこのジヒドロテストステロンが多い体質の人が、AGAになるリスクが高いわけです。また、遺伝的に多くはなくてもジヒドロテストステロンを感じやすい体質の人がいて、それがAGAの発症につながるのです。
ジヒドロテストステロンを増やす生活習慣も
さらに、ジヒドロテストステロンを増加させてしまう生活習慣もあります。喫煙や過度の射精などによって、ジヒドロテストステロンが増えてしまうと言われています。
このように、遺伝や生活習慣がAGAの原因というその奥に、ジヒドロテストステロンという直接的な原因物質が潜んでいたというわけなのです。
ジヒドロテストステロンってやつが、ハゲの原因なんだな。体質的に多い人と少ない人がいるなんて、世の中不公平だぜ!!
生活習慣でもジヒドロテストステロンが増えてしまうのか!タバコはやめた方がいいかな…。
ジヒドロテストステロンって何者!?薄毛が作り出される仕組み
AGAの原因の大元には、ジヒドロテストステロンという物質があることをお話しましたが、そもそもジヒドロテストステロンって何なのでしょう?
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種
ジヒドロテストステロンとは、男性ホルモンの一種です。
これは、とっても強力な脱毛作用がある男性ホルモンなんです。テストステロンという男性ホルモンが代謝されて、ジヒドロテストステロンが作られます。
ここで、「男性ホルモンって髪やヒゲを生やしたり濃くしたりする作用があるんじゃないの?脱毛作用があるってどういうこと?」と意外に思った方もいるかもしれません。その思いは、ごもっともなんです。
というのは、一般的な男性ホルモンは、確かにヒゲや腋毛などの性毛を生やす作用があるからです。代表的な男性ホルモンであるテストステロンも、例外ではありません。
ヘアサイクルを短縮させるジヒドロテストステロン
ところが、テストステロンがひとたびジヒドロテストステロンに変わると、一転して非常に強力な脱毛作用を持ってしまうのです。
髪は成長期に長く太く成長しますから、その成長期が短くなってしまえば、細く短い髪しか生えてこないことになってしまいます。
さらに通常のヘアサイクルにしたがって健康だった髪も抜けますから、髪の密度が減るだけでなく、生えている髪も弱々しくなり、薄毛の状態となります。
これが、ジヒドロテストステロンがAGAの原因となるメカニズムです。
男らしくあるための男性ホルモンが変異すると、ハゲを作り出す要因に変わってしまうのか。
ということは、男らしさとハゲは表裏一体だったというわけだな!
ハッハッハ、俺ほど男らしい男も、なかなかいないぜ!(涙)
ジヒドロテストステロン産出は、5αリダクターゼの仕業だった!
男性らしさを保つためのテストステロンが、なぜハゲを引き起こすジヒドロテストステロンに変わるのでしょうか?
そこには、「5αリダクターゼ」という酵素が関係しているのです。
テストステロンがジヒドロテストステロンに変わる理由
ジヒドロテストステロンの元となる男性ホルモン・テストステロンは、ほとんどが睾丸で作られます。テストステロンは、筋肉や性的欲求など男性らしさを維持するために不可欠なものですが、その分泌量は年齢と共に減少してきます。
そうなると男性の身体は、足りない分を補おうとして、より強力な男性ホルモンを作ろうとします。そのために「5αリダクターゼ」という酵素がテストステロンと結びつき、ジヒドロテストステロンに変化するのです。
5αリダクターゼは髪を作る部位に存在する
この「5αリダクターゼ」とは、頭髪には無害だったテストステロンを脱毛作用のあるジヒドロテストステロンに変化させてしまう、困った酵素なのです。
オリザ油化株式会社によると、それが育毛を妨げていて、男性型脱毛症の原因にもなるというわけなのです。5αリダクターゼは、頭皮の皮脂腺や毛乳頭に多く存在します。
皮脂腺や毛乳頭は、髪の毛を成長させる役割を持っているので、そんな大事な部分で脱毛作用のあるジヒドロテストステロンを作られてしまうことにより、薄毛になってしまうのです。
2種類ある5αリダクターゼ
実は、この5αリダクターゼには、「1型5αリダクターゼ」と「2型5αリダクターゼ」という2つの種類があることが分かっています。
それぞれの特徴を、簡単に表にまとめると、このような感じになります。
1型5αリダクターゼ | 2型5αリダクターゼ |
---|---|
全身の皮脂腺に存在 | 頭皮の毛乳頭に多く存在 |
表にもあるように、1型と2型では、AGAに及ぼす影響や進行の具合も異なります。
1型5αリダクターゼ
こちらのリダクターゼは、側頭部や後頭部に影響すると言われています。しかし、そもそもAGAは側頭部や後頭部の髪は残ることが多く、そこまで脱毛してしまうのは相当高齢になってからとか、かなり進行してしまったケースくらいです。
1型による影響と思われる脱毛は、最初におでこやこめかみの辺りに少々脱毛が見られ、次におでこの中心辺りから薄毛が進行するのが、比較的よくあるパターンと言われています。
とはいえ、1型はそれほど強くAGAには影響しないため、1型のせいだけでAGAがどんどん進行していくことは考えにくいです。初期症状は1型の影響だったとしても、その後前頭部や頭頂部にも進行していくなら、それは2型の影響もあると思われます。
2型5αリダクターゼ
1型に比べて強くAGAに影響する、2型5αリダクターゼ。進行の仕方も、前頭部だけでなく頭頂部からも禿げていくというパターンをたどります。中には、体質によって2型5αリダクターゼがないという人もいます。
この2型5αリダクターゼ欠損症の人は、AGAにはならないことが分かっています。このことからも2型5αリダクターゼの方が、よりAGAの原因になるということが確認できます。
5αリダクターゼを抑制する商品の特集記事はコチラです。
5αリダクターゼ?なんだか、またややこしい名前が登場したな。
こいつのせいで、ただの男性ホルモンが、薄毛の原因物質に変えられてしまう仕組みになってるわけか。
ハゲが作られる過程も、なかなか複雑なんだな。
ハゲはやっぱり体質?原因物質の量や働きを決めるのは遺伝子
5αリダクターゼがジヒドロテストステロンを作ること、そのジヒドロテストステロンがヘアサイクルを乱してAGAを発症させることをお話してきました。
これらの酵素・男性ホルモンの量や働き方には、非常に大きな個人差があります。
5αリダクターゼの量は人による
ジヒドロテストステロンを作ってしまう5αリダクターゼの多さは、人によって違います。
先にも少し触れたように、2型5αリダクターゼがほとんどないという体質の人もいます。こういう人は、幸せなことにAGAとは無縁でいられます。
ジヒドロテストステロンの影響の受けやすさも人による
また、5αリダクターゼによってできたジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞の受容体(受信機のようなもの)に取り込まれることにより、ヘアサイクルを短くするという厄介な力を発揮してしまいます。
しかし、これも人によって、毛乳頭細胞の受容体の感度が低い人と敏感な人とがいます。作られたジヒドロテストステロンの量が同じでも、受容体の感度が高ければその分多く取り込まれ、より薄毛になりやすくなってしまいます。
遺伝はどうしようもない?
5αリダクターゼの量や受容体の感度の違いは、やはり体質です。その体質は「遺伝」と言い換えることもできます。
遺伝子を書き換えることはできません。ならば、残念な遺伝子を持って生まれてきてしまった人は、ハゲに甘んじるしかないのでしょうか。決してそんなことはありません。
遺伝要因を変化させることはできませんが、対策や治療をすることで5αリダクターゼを抑制することや、その結果、ジヒドロテストステロンの生成量を減らすことは可能なんです!
※AGAと遺伝の関係について詳しく知りたい方はこちらの特集記事へ
でも、ジヒドロテストステロンを増やさないための治療法はあるなんて、ありがたい!!ハゲそのものは、あきらめなくてもいいってことだな!
リダクターゼに対する治療って、どんなもの?いつまで有効?
遺伝によって決まってしまった5αリダクターゼの量や、ジヒドロテストステロンへの敏感さによって、AGAになる危険性がある程度決まってしまっていることをお話してきました。
有効なAGAの治療って、どんなもの?
つまり、生まれつき
- 5αリダクターゼが多い人
- 毛乳頭細胞の受容体がジヒドロテストステロンに対して敏感な人
が遺伝的にAGAになりやすい人だというわけです。ですが、治療によってこの点を改善していくことが可能です。
ここまでを踏まえて考えると、5αリダクターゼやジヒドロテストステロンの量を減らしたり、毛乳頭の受容体の感受性を低くすることこそが、有効な治療法というわけですね。
そういった意味では、やはり病院などで専門的な治療を受けるのが一番だと思います。
フィナステリド
専門的な治療の中でもっとも手軽なのは、お薬による治療です。
フィナステリドという成分に、2型5αリダクターゼを抑制する作用があることが医学的に確認されています。
5αリダクターゼが抑制されればジヒドロテストステロンも生成されにくくなるため、脱毛作用が働かなくなります。それによって脱毛が止まったり、ヘアサイクルが元に戻ってAGAの症状が改善するというわけです。
フィナステリドは、日本では「プロペシア」という商品名で出されています。ネットでも買えますが、病院で処方してもらう方が何かと安心です。
ノコギリヤシ
一方、ジヒドロテストステロンへの感受性を低くするという側面からの治療には、ノコギリヤシが有効だと言われています。
プロペシアのように認可された治療薬としてはまだ出ていませんが、サプリメントは多数あるので試してみても良いかと思います。
ノコギリヤシについて詳しく知りたい方はこちら
いつまでなら間に合う?
AGAは早期治療が大事とよく言われているため、薄毛が進行してしまった人の中には「もう無理かも」と諦めてしまうケースも少なくないかもしれません。
ですが、髪の元となる毛母細胞が生きている限りは、手遅れということはありません。いったん短くなってしまったヘアサイクルも、フィナステリドによる治療で回復可能です。
人間の細胞の再生回数は40~50回と言われており、毛母細胞も例外ではありません。健康な髪のヘアサイクルの成長期が2~6年であるため、短くても40回×2年=80年が、毛母細胞の寿命であるという計算になります。
つまり、ヘアサイクルが順調であれば、少なくとも80歳までは髪は生え続けるということになります。
ところが、AGAでヘアサイクルが短くなっているケースでは、成長期を半年とすると40回×1/2年=20年という計算になってしまいます。
この計算でいうならば、恐ろしいことに20歳で毛母細胞が死んでしまい、そこからはもう二度と髪の毛が生えてこないということですね。こうなってしまっては、もう手遅れです。
ここまでお話してきた諸々の事情を合わせて考えてみても、放置しておいた方が良い理由は見つかりません。AGAならば、今日からでも対策や治療を講じることをおすすめいたします。
育毛剤をお考えの方はこちらのページをご覧ください。
自己流の治療は危険!?
ここまでご説明してきたように、AGAの治療は男性ホルモンを抑える治療です。髪の毛に対しては悪さをする男性ホルモンでも、元々は身体全体のためを思って分泌されているものです。
必要性があってできた男性ホルモンなのですから、過度に抑えつけてしまえば副作用も出てきてしまいます。AGA治療薬のプロペシアは、性欲減退や勃起不全など、やはり男性らしさに関わる部分での副作用が報告されています。
焦って一度にたくさん薬を飲むなどの行為は、非常に危険です。最初だけでも医師に処方してもらい、相談しながら治療していくことをおすすめいたします。
はげ始めて5年くらいなら、治療の効果が期待できるとは、聞き逃せない情報だな!俺か?もう何年目か分からないぜ!
AGAの原因は、男性ホルモンのジヒドロテストステロンだった
一般的にAGAの原因と言われる遺伝要素の奥には、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンがあることが分かりました。
そして、さらにその大元には、テストステロンと結びついてジヒドロテストステロンを作る5αリダクターゼという酵素が存在することも、お伝えしてきました。
これらのホルモンや酵素が生まれつき多いということが、遺伝的にAGAになりやすい体質というわけですが、幸いなことに、現在ではこれを改善するための治療薬があります。
AGAの原因が分かっていて、それを改善する治療法が確立されているのですから、それをしない手はありません。くれぐれも手遅れになる前に、何らかの対策をとって、大切な髪の毛を守ってあげてくださいね。
ガッテム!毛が抜け落ちたのはジヒドロテストステロンの仕業だったのか!
これで元凶が分かったぞ!体育館裏でぶっ飛ばしてやる。
婚期を逃したら、ジヒドロテストステロンのせいだな!
んん?ふむふむ。ナニナニ?
「髪があっても、安月給の根暗な社畜は結婚できない」だと?
HAHAHA!体育館裏行こうぜ!