薄毛に悩む人々の支えとなっているのが、薄毛治療です。現在でも、発毛、育毛、植毛、カツラといった方法で薄毛を改善する、隠すということは珍しくないわけですが、実は人類が薄毛の悩みと戦い続けてきた起源は5,000年前とも言われているのです。
薄毛の治療がどのように始まったのか、そしてどのように進化してきたのか、世界の薄毛治療の歴史とその発達について紹介していきましょう。
その起源は5,000年前!?薄毛治療発祥のエジプト
薄毛治療がいつから始まっているのか、人々がいつから薄毛という悩みに向き合い始めたのか、知っているという人は少ないのでは?
実は、薄毛治療の起源は5,000年前のエジプトであると言われています。
エジプトでは、世界最古の医学書「エーベルスパピルス」に、薄毛を治療するための方法としてカバやワニ、蛇や猫など様々な動物の脂肪を混ぜ合わせた薬を使用していたことが記されているのです。
これは、少なくとも5,000年前には薄毛治療が行われていたということを示しています。また、エジプトではカツラを被ったミイラも多く発見されていますね。
古代エジプトでのカツラは地位や威厳を示す!?
エジプトでのカツラは、薄毛を隠すというよりも地位や威厳を示す目的の方が大きかったようです。エジプトは暑く湿度も高いため、髪を剃りカツラを被るようにすることで衛生的に保っていたという説もあります。
カツラは、強い日差しから頭皮を守る役目も果たしますよね。ただ、どのような目的であれ古代エジプトの時代からカツラが存在していたというのは事実です。カツラの歴史は、今に至るまで長く続くものだと言えるのです。
カツラが貴族の嗜みに!?きっかけとなったルイ13世
ヨーロッパでは、カツラは邪道だ、神への冒涜だと言われていた時代がありました。神の前で偽りの姿、偽りの髪をつけることが好ましくないとされていたのです。
しかし、その認識を変えたのがルイ13世です。ルイ13世が薄毛を隠すためにカツラを用いるようになったことから、中世ヨーロッパでもカツラが普及することとなりました。
もちろん薄毛を隠す目的として広まり始めたものですが、そのうちおしゃれ目的としても用いられるようになったのです。
ルイ14世は長い巻き髪、頭を高く盛り上げるカツラを愛用していましたが、それが勇ましい印象を与えるということで富裕市民層に人気となりました。それが、いつしか貴族の嗜みとなったのです。薄毛を隠す目的のカツラが貴族の嗜みに変化するとは、なかなか面白い話ですよね。
ヨーロッパではカツラが薄毛を隠すものだけでなく、貴族の威厳としての地位を確立したのか。カツラが高級なものであれば、ステータスになるわけだな。そのような時代・文化も羨ましいものだ。
ちょんまげのカツラがあった!?日本でのカツラの歴史とは
日本でも、カツラ文化はありました。ただ、世界と比較すると日本でのカツラはそこまで普及しているものではなかったのです。日本では、マゲ文化のために薄毛が目立ちにくかったというのも要因の1つでしょう。
当時の日本男性の髪型は「さかやき」と呼ばれるもの
前額側から頭頂部の頭髪を剃り落としており、この髪型からちょんまげを結っていたため、前額側や頭頂部が薄毛だとしても関係なかったわけです。
しかし、薄毛の箇所によってはマゲが結えないこともありますよね。実は、そんな人のためにちょんまげのカツラがあったと言われているのです。
ただ、頭にかぶるタイプのカツラではなく、足りない部分の髪を足す入れ毛を行うという種類のカツラでした。女性も同様ですね。女性の場合は「かもじ」と呼ばれる添え髪で、髪のボリュームを出すために使用されていたのです。
日本でカツラが広まってきたのは、明治時代以降だとされています。やはり、男性がちょんまげを結うことがなくなったのが大きいのでしょう。それまでは、カツラは薄毛を隠す目的ではなく、能や歌舞伎で使用するものというイメージが強かったのかもしれません。
人工皮膚と人毛を組み合わせた自然なカツラが主流
世界と比較してみると歴史の浅い日本のカツラ文化ですが、現在は物凄い進化を遂げています。
現在のカツラは、人口毛を用いているだけでなく人工皮膚を用いて自然な分け目に見えるような商品が主流となっているのです。
薄毛に悩む人にとって、カツラの進化は非常に大きな意味を持つと言えるでしょう。
だが日本でもカツラは進化をした!人工皮膚を使って生え際や分け目を自然に見せてくれるというのは素晴らしい技術だ。これからもどんどん進化してもらいたいものだ。
植毛治療の基礎は日本人が開発!?その始まりと発達をご紹介
薄毛治療として植毛治療が有名が有名ですが、実は植毛治療の基礎を開発したのは日本人だということは知らないのでは?
1939年に奥田医師が発表した火傷治療法が、植毛法のパンチグラフト法の基礎だと言われているのです。
そのまま研究は進むかと思われましたが、戦争などで十分な研究が行われないまま奥田医師は亡くなってしまいました。その後、1960年代にアメリカがパンチグラフト法を確立し、薄毛治療としての植毛が誕生したわけですね。
直径3mmの円筒型のメス(パンチ)で一度に20本前後の髪の毛を毛根ごとくりぬいて薄毛部位へ植毛する、自毛を植毛するという方法です。
この方法は1960年代~1980年代までに多く用いられてきたものです。ただ、傷跡が残ることや毛根の向きを調整できず生えぎわが不自然になってしまうということから、現在ではあまり使用されなくなってしまいました。
また、1970年代にはボズレー式植毛法が誕生し、現在も多く用いられています。
植毛でも、パーツに合わせて太さの異なる毛髪を植えることで、より自然に見せることが可能となっているのです。植毛技術も、大きく進化してきたのですね。
その植毛も進化を遂げ、太さや密度を変えることで自然な見た目が実現できるようになったとは素晴らしい。私のようなヒーローは特にイメージが重要だからな。
人にバレることなく薄毛を改善することが出来るというのが重要なポイントなのだ。
自然由来成分から医薬成分へ!育毛剤の進化・発展とは
育毛剤や発毛剤は、古くから人々に使用されてきました。各国・地域ごとにご紹介していきましょう。
国名 | 育毛剤 | 効果 |
---|---|---|
日本 | ミカン、ゆず等の 柑橘系エキス |
頭皮の血流改善・保湿 |
古代エジプト | 動物の脂 | 頭皮の保湿 |
古代ギリシャ | オリーブオイル | 頭皮の保湿 |
昔から、頭皮の保湿や血流を改善すると育毛効果があるということは知られていたようですね。ですから、基本的には頭皮を保湿するものを育毛剤として使っていたわけです。
現在も、柑橘エキスを使った育毛剤やオリーブオイルを使用してのマッサージが行われていますので、古来からの方法が今でも生かされているというのは素晴らしいことだと言えますね。
育毛剤は、基本的には頭皮環境を整えて発毛を促す、今ある毛髪を太く健康な髪にするということが目的です。
育毛剤の歴史が変わった!?ミノキシジル登場の背景とその効果
ミノキシジルが効果を発揮するのは、男性型脱毛症(AGA)と呼ばれるものですね。男性型脱毛症は、男性ホルモンにより毛包が弱ってしまい、髪が十分に育つ前に抜けてしまうことが要因だと言われています。
ミノキシジルは毛包に直接作用し、毛包を大きくする働きをしますので、毛包が大きくなることで髪が太くしっかりとしたものとなり、発毛に繋げていくのです。
ミノキシジルを配合した育毛剤であるリアップを使用した際の臨床データを見ると、試験終了時に毛髪数が大きく増加していることが分かります。
ミノキシジル1%配合の育毛剤とミノキシジル5%配合の育毛剤では、やはり得られる効果も変わってきますね。育毛剤は、「頭皮環境を整えて発毛を促す」⇒「成分自体に発毛効果があるもの」に発展していったのです。
発毛効果がしっかりと認められているというのは、薄毛の人々にとって大きな意味を持つだろう。是非私のように、人々に希望を与える存在であってくれたまえ。
歴史と共に治療は進化!人類と薄毛との戦いはこれからも続く
薄毛治療は、5,000年も前から行われてきています。そして、その治療法もカツラ、植毛、育毛・発毛とそれぞれが大きな進化を遂げてきているのです。
人々が薄毛治療に求めるのは、より自然で効果的な仕上がり、改善です。だからこそ、カツラも人工皮膚を利用したものが登場しましたし、植毛も密度や毛の太さを部位ごとに変えて自然に見せる技術が生まれました。
育毛・発毛も自然由来の成分を使って発毛を促すものから、発毛効果がある成分が発見され多くの人に利用されています。ただ、今の薄毛治療が薄毛の人全てに満足を得られているわけではありません。
費用・効果面等、まだまだ改良してほしいと希望している部分もあるのです。この5,000年で発展してきた薄毛治療は、これからも人々の悩みに応えるために進化を続けていくことでしょう。
確かに昔よく見たカツラは、どう見てもカツラって感じのものだったよなぁ。
薄毛治療の進化も嬉しいが、そもそも薄毛にならなくして欲しいもんだよな!それは無理か…。