男性の方ならば、頭髪が薄くなってくることは、大きな心配事のひとつだと思います。実際、AGAにお悩みの方も多いことでしょう。
特に、頭頂部がハゲてしまうと、M字ハゲよりも目立ちやすいということもあって、ご本人はとても気になると思います。
でも、頭頂部の薄毛は見た目だけの問題でもないようです。なんと、頭頂部がハゲている人は心臓病のリスクが高まるという話があるのです。
今回は、この頭頂部ハゲと心臓病の関係について探っていきたいと思います。ショックな事実ではありますが、心臓病にならないためにも、原因を知り、今から対策を進めていく参考になさってください。
医学誌で発表!頭頂部がハゲていると心臓病になりやすい!?
さっそく、気になる「頭頂部のハゲと心臓病のリスクの関係」について、見ていきましょう。このお話の発端は、イギリスの医学誌に発表された、とある研究でした。
頭頂部ハゲがひどいほど心疾患のリスクも上がる
この研究を発表したのは、東京大学医学部の原一雄特任准教授(内科学)などの研究チームです。以下に、その研究結果について引用します。
【翻訳】
現在のメタ分析において、頭頂部脱毛は若い男性および全ての参加者の間で、CHDの増加リスクと著しく関連があった。そして、その関連は脱毛の深刻度次第であった。
これらの結果は、頭頂部脱毛が前頭部脱毛よりも全身性動脈硬化症により関連していることを示している。
引用文中の「CHD」とは、「冠状動脈性心臓病(Coronary heart disease)」の略称です。冠状動脈性心臓病とは、心筋梗塞、狭心症、心筋症、虚血性心疾患などをひっくるめたものです。つまり、一般的な心臓病全般と捉えて良いかと思います。
一番ハイリスクなのが頭頂部ハゲ
なんともショッキングな研究結果ですが、せっかくですから、もう少し詳しく見てみましょう。
この研究チームは、以前の6つの論文について調査をしました。実に、約3万7000人の30代から80代までの欧米人男性を対象として11年間も経過観察したのです。
その結果、頭頂部が薄い人は、そうでない人と比べると、心疾患のリスクが32%も高くなるということがわかりました。さらに、60歳未満の人に限れば、そのリスクは44%にまで上がるということです。
ハゲの部分がつむじの周りだけであったり、額の周辺や耳の上辺りであっても、髪がフサフサの人よりは心臓病のリスクが上がります。しかし、他のどの部位よりも、一番リスクが高まってしまうのは頭頂部ハゲだったのです。
しかも俺のような頭頂部のハゲが、特にリスクが高いんだって!?原因を知るために読み進めよう!
薄毛の中でも特に頭頂部のハゲが心臓病のリスクを上げる理由
それにしても、なぜ頭頂部のハゲだけが、それほどに心疾患のリスクを高めるのでしょうか。
実は、頭頂部が剥げてしまう原因も、心臓病を引き起こす原因も、どちらにも男性ホルモンが関係していたのです。
頭頂部にも心臓にも男性ホルモンが大事!
薄毛や抜け毛には遺伝も関わっているのですが、テストステロンという男性ホルモンが起因していることが分かっています。
このテストステロンは20歳代がピークで、それ以降は減少していきます。そして、心臓病を発症するのは、男性ホルモンが減ってしまうことと関係があるのです。
男性ホルモンというのは、骨格を男らしくしたり筋肉を作るだけでなく、心血管が関係する心筋梗塞などの病気に関しても、危険性を減少させてくれている有難いものです。さらには、男性ホルモンの低下が動脈硬化を引き起こしやすいことも知られています。
すなわち、男性ホルモンが多いと、頭頂部がハゲる確率も減るし、心臓にも良い影響を与えるということなのです。
脂質に気を付けよう
脂質は頭皮を詰まらせてしまう原因にもなります。この脂質を多く摂ると、血液中の脂質までも多くし、血管にコレステロールが付いてしまうのです。こうなると血管に弾力性がなくなってしまい、細くもなってしまいます。
そうなると、心臓としても血液を血管に送るのに余計に圧力が必要になります。心臓にも負担になってくるので、心臓病のリスクが高くなるということです。
インスリン抵抗性も関係している
ここまでで、AGAと心疾患に関連があるのは何となくお分かりいただけたかと思いますが、それにしても、なぜO字型ハゲだけが特にリスクが高まるのでしょうか。
それには、「インスリン抵抗性」などが関係していると考えられます。
インスリン抵抗性とは、体内でインスリンが正常に働かず、血糖値をうまく下げられない状態のことを指します。このインスリン抵抗性は、糖尿病やメタボなどのリスクを上げるだけでなく、AGAにも関係している可能性があるのです。
特に頭頂部ハゲが心臓病のリスクを高めるのはなぜ?
インスリン抵抗性が、AGAの中でも特に頭頂部の薄毛と関連が深く、心疾患になりやすくするのは、どうしてなのでしょう?
【翻訳】
高インスリン血症/インスリン耐性は、メタボリックシンドロームの中心要因であり、炭水化物の不耐性と中心性(腹部)肥満を促進する。
インスリン耐性は血管収縮を引き起こし、頭皮毛包への栄養補給を害し、毛包縮小化でジヒドロテストステロン(DHT)の影響を高めると示された。
つまり、インスリン抵抗性が、肥満や糖尿病など心疾患のリスクを高めると同時に、薄毛の原因物質として有名な、ジヒドロテストステロンの影響を強めてしまうというわけですね。
頭頂部の薄毛は、特にジヒドロテストステロンの影響を受けやすいと言われています。このような背景から、AGAの中でもO字型ハゲが一番、心疾患のリスクと関連が深いと考えられるのです。
ということは、肥満や糖尿病の予防が、ハゲ予防にもなりそうだ。
今から知っておきたい!頭頂部ハゲで心臓病にならないために
誰だって、頭頂部ハゲにはなりたくないし、心臓病にだって罹りたくはないですよね。そのどちらに対しても、自分でできる対策があります。
食生活はやはり大切!
健康にとっても髪の毛にとっても大事なのは食生活です。頭頂部ハゲにならないために意識的に摂りたいのは、これらの栄養素です。
- たんぱく質
- ビタミン
- 亜鉛
たんぱく質は髪にとても大切な成分です。どちらかといえば動物性たんぱく質よりも、豆腐や納豆といった、植物性のたんぱく質から摂る様にしたいです。
ビタミンの中でも髪の毛に特に良いのは、ビタミンBとビタミンEです。ビタミンBは細胞が代謝するのを促す働きがあり、毛母細胞を活発にする作用があります。ビタミンEは血管を拡張してくれるので頭皮の血行が良くなります。
亜鉛というのは、普段の食事では摂ることが割と難しい栄養素です。しかし、タンパク質を髪の毛に合成するにあたって大事な要素でもあるのです。
栄養素 | 多く含む食品 |
---|---|
植物性たんぱく質 | 納豆・豆腐・みそ |
ビタミンB | レバー・マグロ・バナナ・にんにく |
ビタミンE | かぼちゃ・魚介類・魚卵 |
亜鉛 | 牡蠣・レバー・チーズ・アーモンド |
これらの食品を積極的に摂ることで、頭頂部の毛髪もイキイキと成長できる可能性が高まります。それでも、ある特定の栄養素のみ食べていれば良いというわけではありません。色々な栄養素をまんべんなく食べるということが大事です。
ストレスを減らす
心疾患を防ぐには当然、心臓に負担をかけないことが大切です。心臓に優しい生活を心掛けましょう。それには、ストレスを減らすことも重要です。
ストレスがあると頭皮の血行も悪くしますし、きちんと髪が生えてくれなくなってしまいます。
つまりストレスが溜まりすぎると、抜け毛や薄毛の要因ともなるし、心臓病の危険性も高まるということなのです。髪の毛のためにも健康のためにも上手にストレスを発散するようにし、溜めこまないようにしましょう。
睡眠をしっかりとる
あなたは寝不足になっていませんか?夜中まで残業をしているという方も多いことでしょう。忙しい世の中ですし、仕方のない事だとは思いますが、それではもちろん心臓にだって毛髪にだって良くないということは想像できるところです。
髪の毛というのは、寝ている間にこそ成長するホルモンが分泌されるものです。睡眠不足が蓄積されていくと、髪の毛が成長できずに薄くなっていってしまいます。
極力睡眠時間を確保するようにして、生活を正すことで、髪の毛を成長されることができますし、頭頂部の髪も守られて心臓病のリスクも軽減できるのです。
頭皮のケアをしっかりとしよう
頭皮のケアをすることも、ハゲ予防には大切です。自分で簡単にできる頭皮ケアとしては、
- シャンプーやリンスはすすぎ残しのないよう洗う
- ノンシリコンシャンプーやスカルプケアシャンプーを使う
- シャンプー後はしっかり髪を乾かす
- 頭皮マッサージをする
などがあります。どれも今すぐ始められます。ぜひ、これらのことに気を配ってみてください。
帽子の被り過ぎに注意!
あなたは帽子を被りますか?建設現場などでヘルメットを被る方もいらっしゃるかと思いますが、長時間被り続けていると頭頂部が蒸れてしまいます。
そうなると頭皮にも負担がかかってしまうので、注意が必要です。休憩時間などには外すといったことを心掛ける必要がありますね。
それに、頭頂部が何やら薄くなってきたなと感じると、帽子を被って隠すという人もいます。お気持ちはわかりますが、それではかえって逆効果になりかねません。帽子を被るなら、こまめに外したり汗を拭いてあげるなどして、ムレを防いで綺麗にする必要があります。
※※薄毛を上手に隠し、頭皮に負担をかけたくない方はコチラの記事へ
適度に運動をしよう!
既に、脂質は避けたいというお話をしましたが、この脂質を減らしてあげるためには、運動をすることも重要です。
中でも、筋力トレーニングなどがオススメです。筋力トレーニングにより、細胞の回復などを行ってくれる成長ホルモンの分泌を増やしてくれるのです。
とはいえ、筋力トレーニングでは、摂りすぎた脂質に対応できるほど消費カロリーは多くありません。よって、ウォーキングやエアロバイクなどの有酸素運動をセットで行うことが重要です。
成長ホルモンの分泌量を増やしながら、脂質の量も抑えられるので、一石二鳥ですね。
俺も今日から亜鉛やビタミンを摂って、たくさん寝るぜ!筋トレとウォーキングもだ!なんだか、超健康体になれそうな気がしてきたぞ!
頭頂部ハゲの人は要注意!生活改善で心臓病のリスクを減らそう!
頭頂部が薄いと心臓病のリスクが高くなるというのは、衝撃の事実ですね。しかも、ハゲが進んでいればいるほど、心疾患のリスクもどんどん高まるというのは、聞いただけでも恐ろしい感じがしますよね。
しかし、日頃から食事や睡眠、頭皮の状態などを見直すことで、リスクを減らすことも可能なのです。
ハゲだけならともかく、心臓病にまでなってしまっては悲惨です。心臓に異常を来たす前にきちんと対策を取って、いつまでも元気に長生きを目指しましょう!
おいおい、ショックを受けた私を誰かハゲましてくれよ。。
世知辛いにもほどがあるんだぜ!頭頂部ハゲの人は気をつけてくれよな!
お互いハゲまし合って、ちゃんと生きていこう!