私たちは全身を皮膚で覆われています。頭皮もまたそんな皮膚の一部であり、その他の部位と同じように、様々な皮膚疾患になってしまう可能性があります。
皮膚疾患と言ってもいろいろですが、中でもイボは気になりますし、見た目が不潔っぽく見えたりもして、どうにかしたいものですよね。
でもイボって、よく聞く割にはその実態がよく分からなかったりしませんか?今回の記事では、なぜイボができるのか、頭皮にできたイボはどんな風に治療すればいいのか、そもそも治療の必要があるのか等々、いろんな疑問にお答えしていきます。
ぜひ、イボについての不明点を解消して、ぶつぶつのないキレイな頭皮を保ってください!
イボっていったいどんなもの?実はいろんな種類があるんです!
「イボ」と聞くと、皮膚の表面にできるブツブツという程度の、ぼんやりしたイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。まずは、イボという皮膚疾患について、しっかりとした知識を蓄えましょう。
イボにはいろんな種類があった!
イボというのは俗称で、いろんな種類のイボがあります。そして、それぞれ以下のような専門的な病名を持っています。
- 一般的なイボ:尋常性疣贅(ゆうぜい)またはウイルス性疣贅
- 水イボ:伝染性軟属腫
- 中年イボ・首イボ:スキンタッグ
- 年寄イボ・老人イボ:老人性疣贅または脂漏性角化症
このように、一口にイボと言ってもいろんな種類があり、それぞれ別の皮膚疾患なのです。
水イボは小さい子供によく見られるもので、大人によくあるのは一般的なイボ、つまり尋常性疣贅(ウイルス性疣贅)か、首にできるスキンタッグ、そして老人性疣贅です。
中年イボや老人イボと呼ばれているものでも、20代の若い人にできることも珍しくありません。
イボの原因は何?
それでは、イボはどうしてできるのでしょうか?イボは種類ごとに、以下のように異なった原因があります。
イボの種類 | 原因 |
---|---|
尋常性(ウイルス性)疣贅 | HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染 |
伝染性軟属腫 | 伝染性軟属腫ウイルスの感染 |
スキンタッグ | 皮膚の老化や紫外線 |
老人性疣贅 | 皮膚の老化や紫外線 |
このように、イボの原因は、ウイルスと皮膚の老化や紫外線とに大別されます。ウイルス性と聞くと伝染病のように思えるかもしれませんが、基本的には良性の皮膚疾患であり、イボを放置していても健康上は問題ありません。
イボはどこにでもできる
イボというと、手足や首によくできるイメージがありますよね。実際のところ、どうなのでしょうか?
ウイルス性いぼ
ウイルス性いぼは「尋常性いぼ」とも呼ばれ、表面がカリフラワーのようにデコボコしたイボです。
ヒトパピローマウイルスの感染が原因で、手や指、足の裏にできやすく、腕や顔にもできます。
このように、確かに手や足にできることが多いのですが、尋常性イボはウイルス感染が原因なので、ウイルスが住み着けばどこにでもできる可能性があるのです。したがって、頭皮にもイボができることは、じゅうぶんあり得るんです。
イボの見分け方は?
イボのような皮膚にできるブツブツには、ニキビや湿疹などいろんなものがありますが、どのように見分けたらよいでしょうか?
イボは基本的に肌と同じ色で、ニキビのように赤くなったり黄色く膿んだりすることはありません。なので、ニキビや湿疹とは比較的容易に見分けがつくと思います。
また、イボの仲間の中でも、水イボはツルツルでてっぺんが凹んでいるのに対して、ウイルス性のイボは平べったくて固く、肌色から茶色に変化するなどの特徴から見分けることができます。
放置してても問題ないみたいだが、次々増えていったりもするらしいぜ。髪が減ってイボが増えたんじゃ残念すぎるから、やっぱり治療した方が良さそうだな!
気になるイボは病院で治そう!どんな治療法があるの?保険は利くの?
既に触れたように、一般的なイボは良性のウイルスが原因なので、放置しても健康上の問題はありません。しかし、本当に良性のイボかどうかの判断は専門家でないと難しいことや、まれに悪性腫瘍のこともあるため、皮膚科を受診するのがベターです。
見た目的にも治療したほうが良いですから、ここでは皮膚科でのイボ治療についてお話します。
冷凍凝固療法
皮膚科でできるイボ治療の代表的なものが、冷凍凝固療法です。
デメリットとしては、激しい痛みがあることや、普通1回ではイボが取り切れないため数回通院する必要があることが挙げられます。
レーザー療法
皮膚科ではいろんな症状によく用いられるレーザー療法ですが、イボ治療にも使われています。
メリットは、イボの状態によっては1回で治療が終わることもあり、比較的治療期間が短く、再発しにくい治療法であることです。
しかし、保険が利かないのでイボ1個につき5000円~10,000円くらい、クリニックやイボの大きさによってはそれ以上の金額がかかってしまうというデメリットがあります。
電気焼灼法
この方法も、レーザーと同じく保険適用外で、1個5000円以上するところが多いです。また、イボの細胞を取り切れないこともあるため、再発する可能性があります。
レーザー療法もそうなのですが、この電気焼灼法も麻酔を使って行う治療法なので、治療中の痛みはありません。
グルタルアルデヒド塗布療法
レーザーや電気メスのようにイボ自体を取る治療法とは少し違うため、あまり大きな効果は期待しない方が良さそうです。イボの状態によって、別の方法と組み合わせながら用いられることの多い治療法です。
通院時に行うだけでなく、薬剤を処方してもらって自宅でも1日1回塗布します。しかし、強力な薬剤なのでイボ以外の部分に付着することは避けなければらなないことや、小さな子どもがいる家庭には原則として処方されないというデメリットがあります。
また、グルタルアルデヒドを塗った部分は、茶色に変色します。
頭皮が変色してしまうとかなり目立ちますので、頭皮イボにはあまり向かない方法かもしれませんね。
普通の皮膚科と美容皮膚科を併設してるところも多いから、そこで保険適用外の治療法も含めて相談してみると良さそうだ!
自宅でできる対策も!頭皮のイボにおだやかに効く市販薬とは?
皮膚科におけるイボの治療は、保険適用のものだと痛みがあること、痛くない治療法だと保険が効かずに高い料金が発生してしまうなどのデメリットがあります。ですから、皮膚科の治療は避けたいという人がいても、不思議ではありません。
そこで、自宅でできる頭皮のイボ対策についてもご紹介しておきます。
まずは専門医の診断を!
忙しくて通院する時間がないという人も多いでしょうし、先に挙げたようなデメリットを避けるためにも、自宅で対策を取ることは決して悪いことではありません。しかし、市販の治療薬で自己流の治療をして、かえってこじらせてしまうケースもあります。
まずはじめに皮膚科医に診断してもらい、そしてのその指導と管理の下に行われるのであれば、市販のお薬を使用して自分で治療してもいいと思います。
このように、まずはきちんとイボであるという診断を受けることが、市販薬を使う上での前提となります。1度は必ず専門医にイボを診てもらって、相談してから市販薬を使うようにしてくださいね。
ヨクイニン療法
ヨクイニンには、
- タンパク質
- 食物繊維
- カルシウム
- 鉄分
- ビタミンB1
- ビタミンB2
など豊富な美肌成分が含まれており、デトックス効果や免疫力を高める効果も期待できるので、昔からイボ取りの薬として使われているのです。
こちらの市販薬は、1か月分4,000円くらいですが、ほかにもっと安価な市販品もあります。また、ヨクイニンは、皮膚科にて保険適用内で処方してもらうこともでき、その場合は1,000円程度になるケースが多いようです。
安価ですし、痛みもないのですが、効果を実感するまで長期間続ける必要があります。
イボコロリ(液体タイプ)
イボの市販薬と言えば、やはりイボコロリが有名ですよね。絆創膏タイプが主流ですが、頭皮のイボには液体タイプがおすすめです。10ml入りが1,000円未満で購入できます。
イボコロリの主成分はサリチル酸というもので、角質を柔らかくして溶かす作用があります。イボコロリを3~4日くらい塗ると、患部が白く柔らかくなってくるので、ピンセットなどで取り除いて治します。
このイボコロリは、ウイルス性疣贅に向いている薬であり、老人性のイボや水イボには使えませんのでご注意ください。
スピール液
こちらも液状の薬を患部に塗るタイプの市販薬です。有効成分はイボコロリと同じくサリチル酸で、使い方も老人性イボなどには使えないことも共通しています。
ただ、イボコロリはサリチル酸10%配合であるのに対し、スピール液は15%配合となっています。それでも価格的にはほぼ同じなので、効率的に治したい方はより高濃度のスピール液を選ぶとよさそうですね。
飲み薬は長い目で見る必要があるが、イボコロリやスピール液との併用なら高い効き目がありそうだな!
再発させたくない!もうイボができないようにするための対策
イボの原因や治療法についてお伝えしてきましたが、イボというものは治療をしても根元が皮膚内に残っていると再発するおそれがあるという、ちょっと厄介なものです。また、仮に根っこからの治療をしても、予防策を取らなければ再発することもあり得るんです。
では、イボを再発させないようにするには、どんな対策があるのでしょうか?
頭皮の健康を心がけよう!
お話してきたように、よくあるイボはウイルス感染によるものなので、完全な予防は難しいものです。しかし、健康な肌には感染しないため、頭皮の健康を保つよう心がけることが予防になります。
イボやミズイボにかかりにくくするために
「イボ」のできにくい皮膚環境作りを心がけましょう。
そのためには外傷や肌荒れに対するスキンケア、アトピー性皮膚炎など基礎疾患の治療をしっかりと行いましょう。
シャンプーのとき、爪を立てて頭皮を洗っている人はいませんか?それによって頭皮に傷がついたり、乾燥したりすることが、イボにつながることもじゅうぶんあり得ます。
シャンプーは指の腹で優しく洗って、頭皮を健全に保つことが重要かつ基本的な頭皮イボの予防になります。
日々の生活の中でできるイボ対策
イボ予防のためには、頭皮を乾燥させないことも大切です。頭皮に潤いを与えるために、簡単に生活の中に取り入れられる方法をご紹介します。
- 洗浄成分の強すぎるシャンプー剤は避ける
- はと麦茶を飲む
- ヨクイニンエキス配合の化粧水を頭皮にも使う
また、治療法のところでもお伝えしたように、はと麦(ヨクイニン)はお肌の調子を整えてイボ予防に効果を発揮してくれます。いつものお茶をはと麦茶に変えるのも、オススメです。
このようなハトムギエキス配合の化粧水を、頭皮に使うのも効果的です。ドラッグストアや通販にて700円程度で入手できますので、すぐ始められて続けやすいイボ対策と言えますね。
顔用の化粧水を頭皮にも使うのは、美容の専門家もオススメしてる方法なんだぜ!ハトムギエキス入り化粧水もたくさんあるんだな!
頭皮のイボは根元から治そう!市販薬もいいけど専門医の診断が先決!
イボはウイルスや肌の老化、紫外線などが原因で、手や足だけでなく皮膚があるところならどこでも発生する可能性があります。なので、頭皮にイボができてしまうことも、当然あり得ます。
一度できてしまうとどんどん増えるケースもあるので、できれば早いうちに治したいものですよね。市販薬もいろいろ出ていますが、最初に皮膚科できちんと診断してもらうことが前提となります。
再発を繰り返さないためにも、皮膚科で根治したうえで、頭皮を乾燥させないようなケアをすることをオススメします。
でも、ちゃんと治療法や予防対策があるのはありがたいことだぜ!医師の診断はしっかり受けつつ、化粧水やシャンプーで日々対策するぜ!