毎朝、仕事に行ってから、帰ってきてリラックスタイムに…とコーヒーを飲むことが多いあなた。
卵かけご飯が大好きで、ついつい毎日食べてしまうというあなた。
そんなあなたが「最近髪の毛が薄くなってきたな…」と思ったら、それはあなたがよく食べている・飲んでいるものが影響しているのかもしれません。
実は、わたしたちにとっても身近な食べ物が抜け毛の原因になってしまう!そんなことがあるんです。
身近な食べ物が抜け毛の原因!?そのヒミツは「ビオチン」にアリ!
わたしたちが普段食べている・飲んでいるものが抜け毛の原因になるかもしれない…と言われるとビックリしちゃいますよね。
どうして身近な食べ物・飲み物が抜け毛の原因になってしまうのか…そのヒミツは「ビオチン」という栄養素にあるんです。
ビオチンはエネルギー代謝を助ける、とっても大事な栄養素!
ビオチンは、多くの種類があるビタミン群の中のひとつ。「ビタミンH」と言われることもあります。ビオチンという名前からは想像がつきにくいですが、「ビタミンH」と言われると想像しやすいですよね。以前は「ビタミンB7」とも呼ばれていたのですが、最近ではビオチン(またはビタミンH)と言うのが一般的なようです。
ビオチンは
- エネルギー(アミノ酸)代謝のサポート
- 皮膚などの健康維持
- タンパク質を尿素に分解する
- 葉酸の活性化
- ステロイドホルモンの合成
- ビタミンB12の利用
など、非常に多彩な働きをしてくれます。
ビオチンの働きの中では、「エネルギーの代謝のサポート」「皮膚や爪・髪の毛の健康維持」の2つが抜け毛に大きく関わってくる部分ですね。
アミノ酸は髪の毛に必須の要素!ビオチンは大きく関わっている
ビオチンはアミノ酸の代謝やタンパク質の合成、コラーゲンの合成を助ける働きがあります。アミノ酸の代謝に関わっている酵素「カルボキシラーゼ」を助ける「補酵素」になって働いてくれるんですね。
ビオチン不足になると皮膚や髪の毛などをうまく作ることができなくなります。その結果、肌荒れ、脱毛、白髪の増加などの症状がでることがあります。
加えて、ビオチンはもともと皮膚炎の治療の中で見つけ出された栄養素なので、皮膚を健康に保つ働きがあるんです。抜け毛が多い原因の一つが「頭皮環境が悪いこと」。頭皮の健康が失われると髪の毛もどうなるか…もうおわかりですよね?
一部の食べ物や飲み物には、ビオチンを不足させてしまうものがある!
一部の食べ物や飲み物には、大切な栄養素であるビオチンを不足させてしまうものがあるんです。
基本的にきちんとご飯を食べていてある程度栄養を摂っているのであれば、ビオチン不足になる可能性はそう高いものではありません。
しかし、最近は喫煙や飲酒、不規則な生活などによって体内での合成量が減少し、不足してしまうこともあります。
え?髪や肌も重要だけど顔が一番重要?そうか…。
毎朝食べてるアレも!?ビオチン不足になる食材はコレ!
頭皮や抜け毛に非常に深~くかかわる栄養素「ビオチン」についてはわかっていただけたのではないでしょうか。
そんなビオチンを不足させてしまう食材をここではご紹介します。毎日食べている「アレ」も実は、ビオチン不足になる原因だったんです!
生の卵白を使ったものはビオチン不足の原因に!
昔、「卵かけご飯を食べたらハゲる」なんて記事を見たことがある、という方がいるかもしれません。それは極端ではありますが間違いではないんです。
その理由は、卵白に含まれている「アビジン」という糖タンパク質。このアビジンがビオチンと結合してしまうため、ビオチンが他の働きをすることが出来ず、ビオチン不足に陥ってしまう…というわけなんですね。
アビジンが含まれているのは「生」の卵白。なので、メレンゲやムースなど、卵白を使用した食べ物もビオチン不足の原因となってしまいます。
卵白だけでビオチン欠乏を引き起こそうとする場合、1日卵10個分近くの卵白を1週間以上食べ続ける…という極端な場合です。
しかも、火を通せばアビジンの性質が変わるので問題ナシ。毎日卵かけご飯を食べている!という方は、目玉焼きご飯にすれば毎日食べてもOKです(笑)。
健康のためのヨーグルトもビオチン不足の原因に!?
ヨーグルトといえば腸内環境を整えるための食材として、非常に多くの方が口にしているものでしょう。これさえもビオチン不足の原因に!?と驚いた方も多いのではないでしょうか。
ヨーグルトに入っているものといえば「ビフィズス菌」や「乳酸菌」これらはわたしたちを健康にしてくれるもの!というイメージですよね。
ビフィズス菌には約20種類の亜種があります。
その内の2種類が問題で、ビオチンを餌として食べてしまい、増える事が分かりました。
昔は多くのヨーグルトなどの食品に、その2種類が含まれていた為、大騒ぎとなりました。
ビオチンを消費してしまうとして有名なものは「フェカリス菌」です。フェカリス菌そのものは免疫を上げる力があるため悪い菌ではないのですが、生命維持のためにビオチンを食べてしまう、ということですね。現在も入っている商品はありますが、少し食べてもすぐ不足してしまうようなことにはなりません。
また、菌の中にはビオチンの生成を助ける「アシドフィルス菌」もあり、ヨーグルト製品でもこの2つが一緒に入っていることも多いです。
「フェカリス菌」のみが入ったヨーグルトはありませんので、毎日食べているからといって心配する必要はありません。
乳製品や発酵食品もビオチン不足の原因になる可能性が!
卵白やヨーグルトだけでなく、以下のように乳製品や生クリームといった、普段から口に入れやすい食品もビオチン不足の原因となってしまう食べ物です。キムチのような発酵食品として健康にいい!と言われているものも刺激が強いためビオチンを消耗させてしまうなんて、驚きですね。
種類 | 理由 |
---|---|
乳製品 | 悪玉細菌の栄養になりやすく、腸内のビオチンを消耗させて 腸内環境の悪化の原因に |
生クリーム | 乳化剤や安定剤といった添加物が含まれている場合 ビオチンの消耗の原因に |
キムチ | キムチに含まれるカプサイシンとにんにくがビオチンを消耗させ、 腸内環境の悪化の原因に |
いずれも腸内環境を悪化させることがビオチン消耗の原因になる、ということです。
食べ物だけじゃない!飲み物もビオチンを消費する!
食べ物だけではありません。普段からコーヒーをよく飲んだり、夜はお酒をたしなむ…という方も多いと思いますが、なんとカフェインやアルコールもビオチンを体外に排出する原因になってしまうんです。
「自分はコーヒーは飲まないから」という方も要注意。カフェインに排出する力があるので、カフェインが含まれている飲み物が好きなら人よりも排出量が多い可能性があります。ビオチンだけでなく、以下のように様々な栄養素が排出されています。
カフェイン | アルコール | |
---|---|---|
排出される栄養素 | ・ビオチン ・ビタミンB1 ・イノシトール ・カリウム ・亜鉛 ・カルシウム |
・ビオチン ・ビタミン(A・B1・B2・B3・B15) ・コリン ・マグネシウム ・葉酸 |
普段飲む程度なら問題はありませんが、摂取する量に比例して排出量も多くなります。人よりも多く飲んでいるな~…という自覚がある方はちょっと注意かもしれません。
他にもビオチン不足になる理由はアリ!生活習慣にも注意して
他にもタバコ(喫煙・副流煙どちらも)やストレスなどでビオチン不足になることがあります。特にタバコを吸っていると、ニコチンを分解するためにビオチンが消耗されてしまうので要注意!頭皮環境にも悪いのでタバコはスパっと辞めるべきですね。
また、抗生物質を長期間服用している場合はビオチン欠乏になりやすいです。薬を飲んでいなくとも、腸内環境が悪い場合はうまく腸内でビオチンを生成できず、不足してしまうことも。生活習慣も要注意です!
コーヒーでもビオチン不足になるなんて、普段の生活でも意外と失う機会は多いんだろうな。
ビオチン不足はコワい!抜け毛以外にも身体に大きな影響アリ!
ビオチン不足になることで抜け毛や白髪が増加することは説明しましたが、ビオチンの働きは非常に多岐に渡っているため、髪の毛だけでなく身体の様々な箇所に大きな影響が出てしまいます。
髪の毛以外にビオチン不足・ビオチン欠乏によって引き起こされる身体の不調について触れていきたいと思います。
髪の毛だけでなく、体毛が抜けたりすることがある!
ビオチンが不足した際の症状として目立つものが「抜け毛」です。抜け毛というと髪の毛が抜ける、とすぐに想像してしまいがちですが、実は目の周りの毛が抜けていく(メガネ状脱毛)のがビオチン欠乏の特徴とされています。とはいえ、髪の毛が抜けないというわけではないので、安心しないでくださいね!
また、ビオチン以外のビタミン
- ビタミンB2
- ビタミンA
- ビタミンC
といった他のビタミンが欠乏しても抜け毛や白髪の増加につながります。ビオチンにかぎらずビタミン欠乏は抜け毛の原因になってしまう、ということですね。
ビオチン欠乏で疲れやすくなったりうつになることも
ビオチンは代謝に大きく関わる栄養素なので代謝が減少することによる身体への悪影響が出てきます。
全身の倦怠感、寝ても疲れがとれないといった症状に始まり、不眠症になったり、気分が上がらないうつ状態になることもあります。
代謝が悪くなるので消化不良を引き起こし、なんとなく気分が悪い、吐き気がするといった症状から食欲不振になり、さらに栄養が体内に入っていかない…ということも。
代謝がうまくいかないために血液中に有機酸が蓄積され、それが尿と一緒に排出される「有機酸尿」の症状がでる可能性もあります。これは代謝異常の際に出てくる症状のひとつです。
体内の免疫能力が低くなり、アレルギーを起こしやすくなる
ビタミンは免疫能力を高めるものですから、ビタミンの一つであるビオチンが不足すると身体の免疫能力が低くなります。つまり、普段ならかからないような病気にもかかりやすくなるということです。
免疫能力が低くなることで炎症が起こりやすくなり、中でも結膜炎にかかりやすくなると言われています。アレルギーに対する耐性も低下するため、症状が更に悪化してしまうこともあります。
皮膚の病気にもなりやすい!湿疹が増えることも
ビオチンは皮膚の健康に大きくかかわる栄養素。不足することで、皮脂の分泌が多い頭皮や顔などに出ることが多く、かゆみや赤みを伴う「脂漏性皮膚炎」や、皮膚のターンオーバーが活性化しすぎて皮がめくれてしまう「剥脱性皮膚炎」、唇周りの炎症を起こす「口唇炎」などの発症確率が上がります。
また、全身にまるでウロコのような紅斑(皮膚の表面が赤くなる状態)が出てくる「尋常性乾癬」という皮膚病の原因にもなります。これらだけではなく、様々な皮膚の病気にかかりやすくなると思ってください。
他にもまだまだ…ビオチン不足には注意して!
ここまででもたくさんビオチンが不足することによって起こる症状をご紹介しましたが、実はまだまだこれはほんの一部です。
不足度合いによりますが、
- 肝硬変
- 狭心症(狭窄型・攣縮性)
- 糖尿病
- 流産
といった重いものも。脅すわけではありませんが、ビオチン不足は絶対に避けたいものですね。
※※抜け毛が気になる方はコチラの記事へ
さすがにそこまでいく可能性は低そうだが、免疫能力が低くなったり疲れやすいのは身近な症状として多くの人に影響がありそうだな。
ビオチン不足は怖い!たくさん含まれている食材は?
ビオチンが不足していると抜け毛が増える、髪の毛が細くなってしまうだけでなく身体の様々なところに悪影響がでてしまうことはおわかりいただけたかと思います。
となると、「どうやってビオチンを体内に摂り入れるか」が気になってきますよね。
ちなみに、ビオチンの1日の摂取量の目安は以下の表の通りです。
十分な科学的根拠がないため、あくまで目安として示された量ではありますが、タバコを吸っている方や髪の毛を元気にしたい!と思っている方は意識してみてはいかがでしょうか。
幅広く様々な食材に含まれるビオチン。栄養と好みで好きなものを
栄養を摂るならやっぱり食べ物!ですよね。普段の食事にプラスするといった形でも効果的に取りやすく、かつ自然な形で取り入れられるので健康的です。
ビオチンが含まれている食物は非常に多く、普段きちんと食べていれば問題ないくらいです。とはいっても、やはり含有量の違いというのはありますので、特にビオチンが多く含まれている食品をご紹介します。
具体的にはレバーやナッツ類、卵黄に魚…と、本当に様々なものに含有されています。
食品名 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
まがれい | 23.9μg |
ししゃも | 17.9μg |
たらこ(生のもの) | 17.6μg |
バターピーナッツ | 95.6μg |
フライアーモンド | 61.6μg |
卵黄 | 65.0μg |
全卵 | 25.0μg |
鶏レバー | 232.4μg |
焼き海苔 | 46.9μg |
干しひじき | 16.4μg |
納豆 | 18.2μg |
生湯葉 | 14.3μg |
粉からし | 158.1μg |
粉わさび | 23.6μg |
しょうゆ | 12.3μg |
わさびやしょうゆなど、調味料にも含まれているなんて驚きですよね。まさに「意識しなくても摂取することが出来る栄養素」と言えそうです。
お手軽に摂るならサプリメントで!国外メーカーなら単品も
サプリメントで摂るのも手軽な方法です。食事からは十分摂っているだろうから、念のためのサポートとしてビオチンを摂っておきたい、という方はこちらの方がラクですね。
日本でも大手である大塚製薬や小林製薬、ファンケルなどがサプリメントを出していますがビオチン単体のものはなく、マルチビタミン(またはマルチビタミン+ミネラル)のような他のビタミンと一緒に入っているものばかりで30日分で1700円程度で購入する事ができます。
対して海外はビオチン単体のサプリメントもありますので、ビオチンだけが摂りたい!という方は海外のサプリメントを購入した方がいいでしょう。
60日分で1500円程度となり、日本のサプリメントよりは(ビオチン単体という影響もあるでしょうが)安価で手に入ります。
ただ、ビオチンの効果をさらにアップさせたい!という場合はビタミンB1やB2などの他のビタミンB群と一緒に摂るのがオススメ。そう考えると、マルチビタミンの方がいいのかも!?
ビタミンだから摂り過ぎが心配。たくさんとっても大丈夫?
ビタミンの場合、気をつけなければならないのが「摂り過ぎ」。身体にいいものでも、摂り過ぎると逆に身体に悪影響を及ぼしてしまう栄養素は少なくありません。
ビオチンも摂り過ぎてしまったらどうするの?と心配になった方もいるかもしれません。しかし、ビオチンに関しては「摂り過ぎ」を心配する必要は全くないんです!
とはいえ、いくら過剰症がないからとたくさん摂り過ぎるのはNG。身体に負担がかからないというわけではないので、極端にビオチンを摂取しまくる!というのは避けましょう。
私はよくコーヒーを飲むからビオチンがちょっと不足しているかもしれないし、サプリメントでプラスしてみるか!これでフサフサに…
縁の下の力持ちな栄養素!抜け毛改善だけじゃなく健康維持にも
「ビオチン」はわたしたちの身体にとって縁の下の力持ちのような、自分からアピールはしないけれど非常に重要な役割を果たしている栄養素です。
普段きちんと食事を摂っていれば不足することはないため、抜け毛などに影響がないのでは?と思った方もいるかもしれません。
しかしビオチンを摂取することで白髪が改善されたという体験談などもあり、身体に特に影響がないからきちんと摂れているだろうと思っていても、それは最低限の量は摂れているだけで、実際十分な量が摂れているかどうかは別の話です。
先ほど紹介しました食材などの他にもビオチンはストレスでも減少しますし、糖の分解にも使用しますから、過食気味の方だと慢性的に不足している可能性もあります。
摂り入れることに過剰症などのリスクがないため、亜鉛などと比べて手軽に試すことが出来るのは大きなメリットだと思います。普段の生活に、ビオチンを一度プラスしてみませんか?
ビオチン・・・無茶苦茶、大事な栄養素じゃないか!その割には知名度がないよな。
ものすごーく大事だが、その重要度と世間の注目度が比例していない・・・。
HAHAHA!まるで、私ではないか!もっと、私に注目してほめてくれないか?(涙)