人間には、通常10万本から15万本の髪が生えているのですが、その髪の毛はヘアサイクルに従って生え、やがて抜け落ちていきます。そのため、1日に100本程度なら、髪の毛は自然に抜け落ちても問題はありません。
そのはずなのに、季節によってやけに髪が抜けるな…と感じた経験はありませんか?実は、秋は一番抜け毛が多い季節で、それには夏のダメージの蓄積などの理由があるのです。
自然なヘアサイクルとは別に抜け毛を増やしてしまう原因は、季節によって違います。ということは、季節ごとに別々の対策をしないと、抜け毛を増やす結果になってしまうということですね。
そこで、春夏秋冬それぞれの抜け毛の原因を、詳しく見ていきましょう!
ヘアサイクルによる抜け毛とそうでない抜け毛は髪の太さでわかる
ヘアサイクルによる抜け毛は誰にでも起こる当たり前の抜け毛なのですが、そうでない抜け毛が多いと薄毛の原因になるので問題です。
実は、ヘアサイクルによる抜け毛と、そうでない抜け毛には、違いがあります。では、そうやって見分けるのでしょうか?確認しましょう。
ヘアサイクルとは髪の成長の流れのことです!
まずは、ヘアサイクルとは何かということですが、それは髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期のことです。ヘアサイクルには、成長期・退行期・休止期があります。
髪の毛は、4年から6年かけて長く太くなりながら成長していきます。そして、成長期が終わると2週間から3週間の退行期に入り、この間は成長が止まった状態になります。
その後、数か月の休止期に入ると毛根の位置がだんだん浅くなり、やがて同じ毛穴の奥で成長し始めた新しい髪の毛に押され、古い髪の毛が抜け落ちます。新しい髪の毛が成長を始めた時点から、新しい髪の毛の成長期が始まったということになります。
このサイクルは髪の毛ごとに違うため、一度に抜け落ちることはありません。
ヘアサイクルによる抜け毛は1日100本!それより多いと要注意
ヘアサイクルによる抜け毛は、1日に100本くらいです。また、秋は人間が動物だった頃の名残から、200本から300本くらい自然に髪の毛が抜けることもあります。
この数字を目安にして、それよりも目立って抜け毛の本数が多ければ、ヘアサイクルによる抜け毛ではないと判断できます。
また、髪の毛がまとまって抜ける場合も要注意です。
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ヘアサイクルによらない抜け毛は髪の毛が短く細いのが特徴!
薄毛の原因となる抜け毛は、成長期が短くなることによって起こります。
成長期が短くなると、髪の毛が長くなることができず、また太くもなりません。そのため、短く細い髪の毛が抜けます。
また、健康な髪の毛の場合、毛根がふっくらしているという特徴もあります。
つまり、ヘアサイクルによらない抜け毛の場合、短く細い髪の毛が抜け、毛根もやせているということになりますね。
では、なぜヘアサイクルによらない抜け毛が増えることがあるのでしょうか?もちろんその原因としては、季節によらない食生活や頭皮環境の問題なども挙げられますが、実は季節によって別々の原因もあるのです。
そこで、季節ごとに注意すべき抜け毛の原因について見ていきましょう。
そう聞くと、何だか安心だぜ。でも、ヘアサイクルが関係ない抜け毛は気をつけないといけないんだな?
フムフム、見分け方は毛の太さと長さか。
わかりやすくていいな。
春の抜け毛は環境の変化やアレルギーが原因!
春と言えば、みなさんは何を思い浮かべますか?入学、進学、進級、就職、転勤、職場の人の入れ替わり、社内での異動など、環境の変化を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
年度が変わるのに伴って環境も変わりますが、実は、そんな環境の変化が抜け毛の原因になることもあるんですよ。
それでは、春に考えられる抜け毛の原因を見ていきましょう。
環境の変化に伴うストレス
そのため、抜け毛が増えてしまうんですね。
過剰なストレスにより、自律神経が緊張し血管が収縮してしまいます。
その為、頭皮への血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなると毛根への栄養補給が妨げられてしまい、その結果、毛髪の成長を阻害する原因となります。ヘアサイクルが乱れてしまい、毛髪がしっかりと太くなる前に抜け落ちてしまいます。
アレルギー
春になると花粉症などのアレルギーに悩まされる人も多くなりますが、このアレルギーも実は抜け毛に関係しています。
アレルギーでは、目や鼻にだけ症状が出るのではなく、皮膚に症状が出ることもあります。頭皮に炎症が出ると、頭皮が荒れてかゆくなったりするので、髪をかきむしることもあります。
炎症や頭皮をかきむしる行為のせいで、髪の毛が抜けて行くことがあります。
紫外線の増加
夏ほどではありませんが、春になると紫外線が冬に比べて強くなってきます。この時期、気温の変化や春風の影響で頭皮が敏感になりやすいのですが、その状態で紫外線を浴びると頭皮にダメージを受けてしまいます。
それが理由で抜け毛につながることもあります。
春の抜け毛の原因に対する対処法
それでは、春の抜け毛の原因に対する対処法を確認したいと思います。
ストレスを解消する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 睡眠をしっかり取る
- 生活リズムを一定に保つ
- 読書や音楽など、リラックスタイムを設ける
- リラックスするために長めに入浴する
- 運動をする
これらの方法で心身の疲れを取り、ストレスをためないようにしたいものです。運動をすると新陳代謝が促進されるので、血行改善にもつながりさらに頭皮の環境を整えるのに効果を発揮してくれます。
アレルギーの場合は、やはり皮膚科にかかって適切な治療を受けることが大切です。
紫外線に対しては、以下のような対策ができます。
- 日傘の使用
- 帽子をかぶる
- UVスプレーを利用する
また、春ならではの対処法として、タケノコを食べる方法もおススメです。実は、タケノコには、細胞の再生を促すビタミンB2 が豊富に含まれています。そのため、頭皮環境を整えてくれ、抜け毛を予防するのに役立ちます。
その上アレルギー、せっかくあったかくなってうきうきしたいところなのに、嫌な話だぜ。タケノコを食べて対策か、ちょっと試してみるか…。
夏の抜け毛は汗による肌トラブルや強い紫外線が原因!
夏の抜け毛の原因は、みなさんも思い当たるものがあるのではないかと思います。夏と言えば、とても暑いですよね。そのため汗もかきやすいですし、体調も崩しがちになります。
それでは、夏に考えられる抜け毛の原因を見ていきましょう。
皮脂や汗
夏は汗をかきやすい時期です。実は、汗そのものは肌と同じ弱酸性なので、適度に汗をかくのなら、天然の美容液として考えてもいいほど問題が無いものなんですよ。
ですが、大量の汗となると話が変わってきます。大量の汗には、重炭酸イオンという物質が混ざっていることがあり、それを放っておくと汗がアルカリ性に変化します。
肌が弱酸性なのは、雑菌の繁殖を抑えるためなのですが、アルカリ性に変化した汗は肌の弱酸性を中和してしまうため、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
さらに、汗でべとつくことで、ホコリやチリも付きやすくなります。これらが刺激となって、肌トラブルが起こります。これと同じことが、頭皮でも言えます。
汗により頭皮にも影響が起きます。
皮脂と汗が混じり合う。
↓
放置すると、水分が蒸発し、汚れのみ残る。
↓
その部分に、ホコリなどの異物が混ざると、毛穴を塞いでしまいます。
↓
毛穴が塞がれ、皮脂が毛穴にたまり、薄毛につながっていきます。
だから、大量に汗をかくと抜け毛が増えるんですね。
強い紫外線
夏になると、春よりもさらに紫外線が強くなります。春の紫外線でも注意が必要ですので、夏の紫外線にはもっと注意が必要だということです。
紫外線を浴びて日焼けをすると頭皮がかたくなりますし、また皮脂が酸化することで炎症も起こります。そのため、強い紫外線は抜け毛の原因になると言えるのです。
夏バテ
夏バテをすると、食欲がなくなるという人も多いですよね。食欲がなくなるということは、当然ながら必要な栄養が十分に摂れないことを意味します。すると、頭皮まで栄養が行き届かず、抜け毛が起こるというわけです。
人間の体は、栄養が不足すると、生命を維持するために必要な器官(心臓などの臓器)に優先的に栄養を送ります。そのため、直接生命の維持に関わっていない髪の毛は、栄養が送られる順番が後回しになります。
生きるための体の反応なので、それはとても大切なことなのですが、それが原因で抜け毛が増えることは確かです。
エアコンによる乾燥
夏になると暑さしのぐためにエアコンを使用することが多くなっていますが、エアコンは空気を乾燥させます。
すると、頭皮も乾燥してしまいます。頭皮が乾燥すると、フケが出やすくなったり角質が弱まったりします。その結果、抜け毛が増えるのです。
雨の付着
意外な原因かもしれませんが、夏というよりは梅雨時期に特に注意が必要な内容です。雨に濡れること自体には、雨のph値(5~6程度)と人間の皮膚のph値(5.5程度)にほとんど差が無いので、問題はありません。
では、何が問題なのかと言うと、雨に大気中のホコリや汚染物質などが含まれていることです。汚れが頭皮に付着すると、毛穴がふさがりやすくなります。特に降り始めの雨はこれらの物質を多く含んでいますので、注意が必要です。
また、雨の日は湿気が多いので、頭皮がべたついてこれらの汚れと皮脂が混ざりやすい状態にもなります。そうなると、頭皮環境が悪化してしまいます。
夏の抜け毛の原因に対する対処法
皮脂や汗に関しては、汗を放置することでそれらが混ざり合ってしまうことが問題なので、汗をこまめに拭くようにしましょう。また、汗を抑えるために、通気性のよい服や帽子を着用するのもおススメです。
夏の紫外線対策も、基本的には春と同じです。
- 日傘の使用
- 帽子をかぶる
- UVスプレーを利用する
ただし、夏の場合、通気性のよい帽子をかぶらないと、かえって頭皮が蒸れる原因を作ってしまいます。頭皮が蒸れると雑菌が繁殖したり皮脂で毛穴が詰まりやすくなったりするので、気をつけましょう。
夏バテの解消には、以下のような方法がおススメです。
- 朝食は抜かない
- 水分補給をこまめにしっかりする
- 睡眠を取る
- 運動をする
- シャワーで済ませるのではなく湯船に浸かる
頭皮の乾燥対策としては、頭皮ケア用のシャンプーでケアするとよいでしょう。
雨に対しては、まずは濡れないことが一番なので、折りたたみ傘などを持ち歩き、降り始めの雨に濡れないように気をつけましょう。もし傘を持っていないなどの理由で雨に濡れてしまった場合は、できるだけ早めにシャンプーをして汚れを落とすことが大切です。
その上乾燥するのも雨もダメってか。
そりゃ、厳しいなあ。汗をこまめに拭いて、紫外線対策。
そして夏バテ解消か。
しなきゃいけないことが多いぜ。
秋の抜け毛は夏のダメージの蓄積が原因!
最初にも少し触れましたが、人間が動物だった頃の名残もあって、秋はもともと抜け毛が多い季節ではあります。
ですが、原因はそれだけではありません。そこで、秋に考えられる抜け毛の原因を見ていきましょう。
夏に蓄積されたダメージ
食べ過ぎ
『天高く馬肥ゆる秋』なんて言いますが、秋は収穫の季節で食べ物が美味しく感じられることから、食べ過ぎになりやすい季節でもあります。
食べ物を食べ過ぎると、胃での消化が間に合わず、結局せっかく食べた食べ物から栄養が上手く取りこめないことになります。
夏バテが原因の抜け毛の時にも確認しましたが、人間は栄養が不足すると生命を維持するのに必要な器官を優先して栄養を送ります。それは、食べ過ぎによる栄養不足の場合でも同じです。
暴飲暴食が原因で栄養が上手く取り込めなくなった時も、やはり髪の毛に栄養が回らなくなり、抜け毛を招きます。
秋の抜け毛の原因に対する対処法
秋の抜け毛には、夏の間にどれだけダメージを回避するかが関係しています。そのため、夏の抜け毛の原因とその対策を参考に、夏の間にできるだけダメージを受けないような生活をすることが、秋の抜け毛を防ぐために大切です。
また、食べ過ぎを避け、バランスの良い食事をすることにも気をつけましょう。
ということは、秋になって焦って対応しようと思ってももう遅いってことだな…。秋は食べ物が美味しいし、誘惑も多いよなあ。
夏の間から気をつけて、食べ過ぎない!
頭じゃわかるんだけどな。
冬の抜け毛は乾燥や血行が悪くなることが原因!
冬は寒くなりますし空気も乾燥します。それらのことが、抜け毛に関係しています。
それでは、冬に考えられる抜け毛の原因を見ていきましょう。
空気の乾燥やエアコンによる乾燥
冬は空気が乾燥していますし、エアコンを使うことでも空気が乾燥しやすい時期です。
もともと、人間の頭皮には20%程度の水分が含まれています。それによって外からの刺激を受けにくくしているのですが、外部の湿度が低くなると、頭皮の水分が奪われてしまいます。
すると、外からの刺激を受けやすい状態になり、その結果頭皮がダメージを受けます。それから、乾燥した頭皮はフケが出やすい状態にもなります。その上角質も弱まるので、抜け毛が増えることになります。
また乾燥は、頭皮だけではなく髪の毛にも影響を与えます。髪の毛はうろこ状になったキューティクルに守られているのですが、乾燥するとうろこ部分のまとまりが失われ、キューティクルがはがれやすくなります。
それが、髪の毛が抜けたり切れたりする原因になります。
室内と室外の温度差
意外に思われるかもしれませんが、室内と室外の温度差も抜け毛の原因になります。
室内のあたたかさで頭皮に汗をかくと、皮脂が出やすくなります。寒い外に出て頭皮が冷えると、その皮脂が固まってしまいます。それを繰り返しているうちに、毛穴が詰まって窒息した状態になるのです。
毛穴が詰まって窒息した状態になると、髪の毛が抜けやすくなってしまいます。
血行不良
寒いと、体が冷えますよね。体が冷えると、血行が悪くなります。春のストレスの部分で確認しましたが、血行不良になると栄養が髪の毛まで届きにくいので、髪の毛の生育に悪影響を与えます。そのため、抜け毛が増えるのです。
冬の抜け毛の原因に対する対処法
頭皮や髪の毛の乾燥を防いだり、室内と室外の温度差で固まった皮脂を除去したりするのに役立つのが、シャンプーです。シャンプーをする際は、以下のように優しく洗いましょう。
2、シャンプー前に髪をしっかり濡らす。
3、シャンプーを泡立てて、指の腹を使ってマッサージするように洗う
4、コンディショナーやトリートメントで潤いを与える
皮脂がついていると、ついゴシゴシと洗いたくなるものですが、そのような洗い方をすると、ただでさえ乾燥で傷んでいる頭皮をますます傷め、フケが出やすくなってしまいます。そのため、ゴシゴシ洗うのではなくマッサージするように洗うことを意識してみましょう。
それから、以下の方法で頭皮の乾燥を防ぐのも有効です。
- 加湿器を使用する
- 観葉植物を置く
- 皮膚科で頭皮にも使える保湿剤を出してもらう
- 手を洗う時に髪の毛を撫でて頭に水分を与える
- 外出時には帽子やフードを着用して風から髪を守る
血行を促進するには、以下のような方法がおススメです。
- 湯船にゆっくりつかる
- ストレッチや運動をする
- 頭皮マッサージをする
それなら簡単、俺でもできるぜ!
抜け毛の原因は季節ごとに違う!それに合わせた対策をしよう
以上のことから、ヘアサイクルによるもの以外の抜け毛の理由は、季節ごとに違うということが言えます。
- 春…環境変化に伴うストレス、アレルギー、紫外線の増加
- 夏…汗や皮脂、強い紫外線、夏バテ、エアコンによる乾燥、雨
- 秋…夏のダメージの蓄積、暴飲暴食
- 冬…乾燥、室内と室外の温度差、血行不良
季節によって原因が違うのなら、対処法もそれに合わせたものでなければ抜け毛を防ぐことはできませんよね。
そのため、これらの原因を確認したうえで、それぞれにあった対策をして抜け毛を防ぎたいものですね!
結局、春夏秋冬いつでも薄毛になってしまうって事か…。
ハゲの脅威は年中追いかけてくるんだな(笑)。
とにかく季節ごとの原因を知って、その原因ごとに対策をしていくことが大切だな。