シャンプーのときに触れると痛みを感じたりして、頭皮ニキビって意外と気になるものですよね。いったん気になり始めると、つい触ったり潰したりして、悪化させてしまった経験を持つ人もいらっしゃるかもしれません。
そんな頭皮ニキビは、いったんできると治りにくいと言われており、炎症を起こしているものや膿がたまってしまうほどに悪化したニキビは、セルフケアだけで治すのは厳しくなります。そんな時は、できるだけ早く皮膚科で診てもらうに限ります。
ここでは、皮膚科でのニキビ治療にはどのようなものがあるのか、じっくりお話していきます。頭皮ニキビが気になる方、皮膚科へ行こうか迷っている方は、ぜひご参考にしてくださいね!
皮膚科のニキビ治療は薬物治療から!どんな薬が出るの?
ニキビはできるだけ早く治療を始めることで、にきび跡になるリスクを低減できますし、治療期間も短く済みます。ですから、赤ニキビや黄ニキビがある人は、すみやかに病院へ行きましょう。
ニキビで受診する科は皮膚科ですが、皮膚科には一般の皮膚科と美容皮膚科とがあり、治療内容が少し異なります。まずは、一般皮膚科の方から見ていきましょう。
抗生物質
ニキビの原因としてよく知られているアクネ菌など様々な菌をやっつけるため、抗生物質はもっともよく用いられるニキビ治療薬です。
項目 | 内容 |
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薬剤名 | ・ルリッド錠 ・ミノマイシン ・ダラシンTゲル 等 |
特徴 | ・原因菌の繁殖を抑える ・即効性があるが長期的に使うと効果が下がる |
適用するニキビ | 主に赤ニキビ~黄ニキビ |
抗生物質には塗り薬だけでなく飲み薬もあり、どちらもよく処方されます。使用し始めてすぐにかゆみや赤み等に対して効果が表れますが、長期に渡って使ってもよいタイプの薬ではないため、必ず医師の指示を守りましょう。
抗炎症薬
炎症を起こしてしまったニキビには、抗炎症薬もしばしば使われます。こちらも、内服薬と外用薬の両方があります。
項目 | 内容 |
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薬剤名 | ・ブルフェン錠 ・イプロニン(軟膏・クリーム) 等 |
特徴 | 炎症や痛みを鎮める |
適用するニキビ | 主に炎症性の赤ニキビ~黄ニキビ |
これらの処方薬は、炎症を引き起こすプロスタグランジンという物質を抑制し、消炎鎮痛効果が高いため、痛みや痒みなどの不快な症状を短期的に改善でき、ニキビ跡のリスクも下げることができます。
ディフェリンゲル
2008年に認可されたディフェリンゲルは、従来のニキビ薬にはなかった作用機序を持つ、とても効果の高い薬です。
項目 | 内容 |
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薬剤名 | ディフェリンゲル |
特徴 | ・毛穴のつまりを除去する ・ニキビの進行を止める |
適用するニキビ | 主に白ニキビ~軽い赤ニキビ |
ターンオーバーの乱れによってできる毛穴のつまりを除去する作用があり、初期ニキビに使えば高い確率で進行を抑えることができます。
しかし、強い赤みなどの副作用が出る可能性がありますので、必ず通院して医師に経過を診てもらいながら使用してください。また、妊娠中や授乳中の女性は使用できないので、ご注意ください。
ベピオゲル
ディフェリンゲルに続いて2015年に新しく認可されたニキビ治療薬に、過酸化ベンゾイル(BPO)を主成分とするベピオゲルがあります。
項目 | 内容 |
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薬剤名 | べピオゲル |
特徴 | ・毛穴のつまりを除去する ・ニキビの進行を止める ・炎症を抑える |
適用するニキビ | 主に白ニキビ~炎症性の赤ニキビ |
ベピオゲルについて
過酸化ベンゾイルが入っているのでディフェリンゲルには無かった「抗菌効果」があります。
ですので、アクティブなニキビがあり、白ニキビもある場合はこちらの方がお薦めです。
ディフェリンゲルも画期的でしたが、ベピオゲルはさらに広い範囲のニキビに対応できるため、保険適用となったことはニキビにお悩みの方々にとって非常にありがたいですね。
しかし、敏感肌の人には向かないことがあったり、それ以外の方でもベピオゲルを塗布した部分を長時間日光に当てないよう帽子をかぶるなどの対策が必要だったりと、使用にはいくつかの注意点があります。使用にあたっては、必ず医師の指示を守ってください。
ビタミン剤
ここまでご紹介したニキビの症状そのものに効果がある薬に加えて、ビタミン剤の内服薬が処方されることもあります。
項目 | 内容 |
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薬剤名 | ・フラビタン(ビタミンB2) ・ピドキサール錠(ビタミンB6) ・シナール錠(ビタミンC) 等 |
特徴 | 脂質を分解して粘膜や皮膚を正常に保つ効果がある |
適用するニキビ | 主に白ニキビ~軽い赤ニキビ |
食生活が偏り、ビタミン不足が原因のひとつと診断されれば、このようなビタミン剤が処方されることもよくあります。他の内服薬や外用薬と併用するケースが多いです。
漢方薬
ここまでご紹介した西洋医学的な薬は、効果が早く出るため長くニキビに悩んできた人にとっては助かるものです。しかし、極力身体への負担を減らしたいという方は、漢方薬を服用するのもひとつの方法です。
項目 | 内容 |
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薬剤名と効能 | ・甘草(カンゾウ):炎症を抑える ・清上防風湯(セイジョウボウフウトウ):炎症を抑える ・桂枝茯苓丸加遵苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン):血流改善、ホルモンバランスを整える ・荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ):炎症を抑える、保湿効果 ・十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ):炎症を抑える、膿の排出を助ける |
適用するニキビ | すべてのニキビ |
症状に応じていろいろな漢方薬が用いられますが、やはり効果が出るまでには長い時間がかかります。また、外用薬や他の内服薬との併用が主流であり、漢方薬は補助的な位置づけとなっています。
保険はきくの?
ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚疾患で、れっきとした病気です。
つまり、病院での治療の対象になるものであり、その治療費には保険が適用されます。
上記の一般皮膚科で処方される薬も、原則としてすべて保険適用されるものです。なので、診察料を合わせても、比較的安価でニキビ治療ができます。
抗生剤からビタミン剤、それに新しく保険適用された薬まであるなんて、期待が持てるぜ!治療費もお手頃だし、酷くなってしまった頭皮ニキビには、やっぱり処方薬の出番だな!
美容皮膚科でさらなる治療と再発予防が可能!
ここまでお話してきたのは、一般的な皮膚科での治療方法でした。次に、美容皮膚科で行われている、より進んだニキビ治療についてご紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、美容皮膚科でよく行われている方法で、ニキビにも効果が高いと言われています。
項目 | 内容 |
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方法 | ピーリング剤を肌に塗って古い角質を溶かし、皮膚の再生を促す |
料金 | 1回5,000円程度~10,000円超 |
注意点 | 皮膚に赤みやピリピリ感が出ることもある |
ピーリング剤には、グリコール酸(フルーツ酸)、サリチル酸マクロゴール、サリチル酸エタノールなど様々なものがあり、それぞれ強度が違います。ニキビの種類や程度によって、最適なピーリング剤を利用します。
ピーリング後は皮膚の表面が薄くなっていますので、薬が奥まで浸透しやすくなっています。なので、外用薬を組み合わせると、より効果的です。
イオン導入
イオン導入も、ニキビやシミに対して美容皮膚科でよく行われる施術です。
項目 | 内容 |
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方法 | 微弱な電流を肌に流してから薬剤を浸透させる |
料金 | 1回5,000円程度~10,000円超 |
注意点 | 以下の人には施術できない ・金属類が体内にある人 ・心臓に持病がある人 ・強い炎症やケロイドがある人 |
ごく弱い電流をお肌に通すことで肌のバリア機能を一時的に弱めて、薬剤の浸透力をアップさせてから、ビタミンCやプラセンタなどを塗布する方法です。痛みもなく、長くても30分ほどで終わります。
ニキビそのものへの治療というよりは、ニキビ予防や美肌効果を期待して行われることが多いです。
レーザー治療
レーザー治療も美容皮膚科の中心的な治療法で、シミやシワ、ホクロ除去など様々な症状に対して利用されています。
項目 | 内容 |
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方法 | レーザーを照射してアクネ菌などを死滅させたり、炎症を抑えたりする |
料金 | 1回5,000円程度~10,000円超 |
注意点 | 光感受性の強い人には施術できない |
すべての種類のニキビに適用可能ですが、レーザーにはいろいろな種類があるので、サイトにニキビへのレーザー治療を行っていると明記しているところを選ぶことをオススメします。
保険がきかない!
ご紹介してきた美容皮膚科のニキビ治療は、ごく初期のものから膿を持つまで悪化してしまったニキビまで、すでにあるニキビへの対応はもちろん、ニキビ予防やニキビ跡の治療にも適用できます。
しかし、大変残念なことに、美容皮膚科での治療は、原則として保険がきかないので高額になるケースも多いのです。
美容皮膚科での治療を希望する場合は、必ず事前に施術内容とともに料金をよく確認しておきましょう。
美容皮膚科は恥ずかしく感じる男性もいるかもしれんが、薄毛治療もやってるところも多いから、いっそのことハゲもまとめて診てもらうってのも良い手だぜ!
ニキビの原因と種類を知っておこう!受診の目安とは?
皮膚科でのニキビ治療についてお話してきましたが、最後にニキビの原因や種類など基本的な部分についても簡単にご説明しておきます。そして、どの程度までならセルフケアで対応でき、どれくらいから皮膚科へ行った方がいいのか、その目安についてもお話します。
ニキビの原因と種類
思春期ニキビは過剰な皮脂分泌が主な原因ですが、頭皮ニキビを含む大人ニキビは、加齢や頭皮の乾燥などによる肌のターンオーバー機能の衰えに、アクネ菌などの原因菌の繁殖や生活習慣の乱れなどが重なることが原因です。
頭皮ニキビに関しては、それらに加え、シャンプー剤の影響等も原因になります。頭皮ニキビができている方は、刺激や洗浄成分の強いシャンプー剤は避けた方がよいでしょう。(※頭皮ニキビの方はこのシャンプーがおすすめ)
また、にきびには進行状況によって以下のようにいろんな種類があります。
このように、はじめはただの白い膨らみだった白ニキビが、徐々に悪化していき、炎症を起こした赤ニキビや化膿した黄ニキビにまで進行してしまうのです。
※※ニキビの原因や種類を詳しく解説!
ニキビの原因や種類についてより詳しいことは、こちらの記事にまとめております。ぜひご覧ください。
どれくらいから病院へ行けばいい?
では、上記のニキビの種類のうち、どれくらいになったら専門の先生に診てもらった方がよいのでしょうか?
白ニキビや黒ニキビの段階ならセルフケアでも改善できる可能性があります。生活習慣に気をつけ、頭皮用の化粧水や市販薬での対策で様子を見てもよいでしょう。
しかし、自分でできる対策を続けても改善が見られない時や、以下のような症状がでてきたときは受診のタイミングです。
- 赤みや腫れがある
- 化膿している
- 痛みがある
このような症状が表れているときは、皮膚科を受診しましょう。ニキビの種類で言えば、赤ニキビ以降は皮膚科での治療がベターです。
初期なら生活改善やスキンケアで様子見してもいいが、酷くなってきたら専門医に診てもらった方がいいんだな!赤ニキビができてる人は、病院へ急ごうぜ!
ニキビは皮膚科で確実に治そう!
ニキビの種類にはいろいろなものがあり、症状が軽いうちはセルフケアや市販薬でも対応できますが、赤ニキビ以上にまで進行してしまったら、処方薬で効率的に治せる皮膚科を受診することをオススメします。
皮膚科には一般皮膚科と美容皮膚科があり、それぞれの特徴があります。治療費や受診しやすさの面から言えば、最初はやはり一般皮膚科での治療がオススメです。外用薬だけでなく内服薬なども症状に応じて組み合わせて処方してもらえます。
近年は、一般皮膚科と美容皮膚科を併設しているクリニックも増えていますので、そのようなところに行くのもいいですね。頭皮ニキビにお悩みの方は、ぜひ時間を見つけて受診してみてください。
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