頭の気になるフケ、これってもしかして病気なんじゃ…?なんて、思ったことはありますか?
フケなんてわざわざ病院に行くほどでもない、とついつい放ってしまいがちですが、中にはフケが出ることが症状のひとつである「頭皮の病気」なこともあるんです。
そう、中には病院に行って診察してもらうべきフケもあるということ!
そこで、病院には何科へ行くべきなのか、どのような薬が処方されるのか、そして通院が必要な病気はあるのか…?など、「フケと病院・通院」について調べてみました。
どんな症状・フケの場合は病院へ行くべき?
まず最初に、どのような症状、ケースで病院に行くべきなのか…というところからスタートしましょう。
以下のチェックに当てはまっているのであれば、病院で一度診察を受けてみたほうがいいかもしれません。
- 頭皮が炎症を起こしている場合
- 1ヶ月以上ケアをしても症状が改善しない場合
- フケの量などが悪化した場合
- 脂性フケが治らない場合
- 自分のフケのタイプがわからない・気になる場合
フケの治療は特別病気が原因でないものであれば、セルフケアで改善することが可能です。
しかし自分のフケのタイプがわからない場合、真逆の対処法を取ることで症状が悪化してしまうこともありますので、「自分のフケがどっちのタイプかわからない、知りたい」という場合は医師に判断してもらうのも十分アリ!です。
また、ケアを始めて1ヶ月程度でフケの量が落ち着くなど何らかの改善が見られるのが普通ですが、改善が見られないどころか逆に悪化した…という場合は対処法が間違っているか、別の病気の可能性もありますので、一度診てもらうことをおすすめします。
脂性フケが治らない場合
脂性フケが治らない場合というのは、脂性フケではなく「脂漏性皮膚炎」の可能性があります。
これは脂性フケと区別が付きにくいのですが治りにくいため、病院で治療してもらう方が早く治ります。
もちろんこれらに当てはまっていなくても「フケが気になる」「今のケアだったらフケが出始めてしまうのだろうか」という不安を持っているなら一度皮膚科で頭皮の状態を診てもらうことも悪くないと思います。
「当てはまっていないから病院に行かなくていい!」というわけでもありませんので、その点は注意してくださいね。
特にケアをして1ヶ月しても改善がない場合は間違ってる可能性が高いのか…。
せっかくケアしても意味がなかったら悲しいもんな!
病院は何科へ行くべき?どんなことがわかる?
病院に行くかどうか、その判断は前のトピックを参考にしていただければいいかと思います。
…が、そもそも病院といっても何科へ行くべきなのか?って結構迷うところですよね。
中には「○○科だと思っていたら△△科にいくべきだった」なんてケースもありますし、正直分類はややこしい…。
そこで、こちらのトピックでは
- 何科に行くべきか
- 診察・検査内容はどんなものか
- どのような流れになるのか
といったところを解説していきたいと思います。
皮膚科に行けばOK。別の病気なら適した所を言ってくれる
フケや頭皮に関することですので、基本的には「皮膚科」に行けばOKです。
仮に診察の結果フケは何かしらの病気のひとつの症状として表れているなど別の科が適切だと医師が判断した場合は「改めて○○科で診察を受けてください」など教えてもらえます。
ただ、フケが症状のひとつとして出る場合も大体皮膚の病気であることが多いので、ほぼ別の科に回されることはないと思います。
もし別の科のし夏を受けなければいけない場合は、個人でやっている病院(診療所や医院の方が多いかもしれません)や別の科がない医療機関であれば、紹介状を書いてくれますので心配することはありません。
病院の検査・診察でわかることってどんなこと?
病院では、頭皮の状態及びフケの検査を受けることになります。
頭皮はスコープなどで見て皮脂が詰まったりしていないか、シラミがいないか…といった感じですね。
フケは後で詳しく解説します、頭皮の病気「頭部白癬」や皮膚病である「尋常性乾癬」のケースがありますので、フケを顕微鏡でみて菌がいないかをチェックします。
この段階でわかることは
- 単純なフケか病気が原因のフケか
- 単純なフケの場合、乾性フケか脂性フケかどちらのタイプか
- 病気が原因の場合、どういった病気か
というところです。
必要なら薬を処方、普通のフケならば処方しないこともある
診察・検査の結果、何かしらの薬を処方したほうがいいのであれば処方箋を出してくれます。
しかし生活習慣などが原因のただのフケ(乾性フケ、脂性フケ)の場合は薬を処方することはせず、フケ防止のためのシャンプーや、フケ防止用のローションなどを紹介するだけにとどまることもあります。
フケが出る原因とは?知っておきたいその種類
特別な原因がないフケはセルフケアで十分に対処できるため、アドバイスで終了することが多いですね。
仮に外用薬を処方する場合、その内容によりますが
- 軟膏
- クリーム
- ローション
のいずれかが処方されます。
頭皮につけるものですので、基本的にはローションになると思いますが、一部だけ炎症が起きている、ニキビがある…などの場合は軟膏やクリームが処方されることもありますね。
通院や本格的な治療が必要な病気もある
普通のケアで改善出来ない場合、以下のような頭皮の病気の可能性があります。
- 脂漏性皮膚炎
- 頭部白癬
- 尋常性乾癬
これらはきちんと病院で診察を受けて適切な治療を行わなければなりません。
具体的にどのような症状なのか、どのような治療方法を受けるのか…といった細かい部分は後でそれぞれのトピックにしてご紹介します。
仮に病気でなかったとしても、やっぱりプロに診てもらうのは大事と言えそうだ。
乾性フケの方が病院で受ける治療方法は?
それでは、ここからは症状別にどのような治療を受けるのか、どのような薬が処方されるのか…という部分を具体的に見ていきたいと思います。
まずは頭皮が乾燥してしまうことによって発生するフケである「乾性フケ(乾燥フケ)」についてです。
こちらのフケはセルフケアでも十分に解決できるもので、特別治療のために病院に行く必要はありません。
薬も市販のもので十分と判断された場合は処方されることなく、「この商品を購入して使ってみてください」というアドバイスのみにとどまることもあります。
乾燥を抑えるための「保湿」の薬が処方されるのが基本
乾性フケの方の場合、原因は「頭皮の乾燥」とわかりきっていますので、その対処…つまり「保湿」を促すような薬を処方されるケースがほとんどです。
具体的には、以下のような保湿効果がある薬が処方されるでしょう。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
ワセリン | 白色ワセリン | 白色ワセリン |
ヒルドイド | ヘパリン類似物質 | ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローションなど |
ウレパール | 尿素 | ウレパールクリーム、ウレパールローション、 ケラチナミンコーワクリームなど |
ワセリンなど、簡単にドラッグストアで手に入るようなもので保湿が可能…と言うことですね。
ベタつきがイヤという場合はヒルドイドローションなど、さらりとしたものを処方してくれるかと思います。
乾燥によるかゆみがある場合、かゆみ止めが処方されることも
また、乾燥によるかゆみがある場合はかゆみ止めも合わせて処方されることもあります。
かゆみ止めとして多く使われるのが「ステロイド」ですが、乾燥によるかゆみの場合はステロイド配合のものが処方されるケースは少ないかと思います。
内服薬、外用薬どちらもかゆみ止めはありますので、医師の指示または相談の元処方してもらってもいいかもしれませんね。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
レスタミンコーワ | ジフェンヒドラミン | レスタミンコーワクリーム1% レスタミンコーワ錠10mg |
オイラックス | クロタミトン | オイラックスクリーム10% |
上記は一部ですが、このようなかゆみ止めが処方されるのではないかと思います。
乾性フケの治療期間はどれくらいかかる?
使用しているシャンプーの銘柄や生活習慣(お酒をよく飲む、睡眠時間が短いなど)を医師に伝えた上で、フケの発生が落ち着くようなアドバイスを貰えると思いますので、それに従って原因となるものを取り除くようにしましょう。
具体的な乾性フケや脂性フケの対策を知りたい方は、こちらの記事にも目を通してみてくださいね。
→フケをなくす方法をご紹介!対策をしよう
わたしたちの肌は約1ヶ月程度で生まれ変わり(ターンオーバー)ますので、その後フケが出ていないようであればひとまず治療は完了と言えるでしょう。
あとは再発しないようにきちんとケアしていくことが大切です。
薬を処方してくれるだけでなく、色々アドバイスをしてくれるのも有り難いな!
特に有効な市販薬を教えてくれるのは嬉しいぞ。
脂性フケの病院での治療方法
脂性フケの方の場合の治療方法は、少々乾性フケとは変わってきます。
…というのも、そもそも脂性フケが発生する原因は頭皮の皮脂の分泌量が増えた(多い)ことによって、わたしたちの肌に住んでいる菌「マラセチア菌」が大量に繁殖してしまうことだからです。
乾性フケの場合は「乾燥」が原因でしたが、脂性フケは「菌が繁殖しすぎること」が原因になりますので、また取る対処が変わってくるということですね。
また、脂性フケは次のトピックにてしっかりと解説します「脂漏性皮膚炎」の症状のひとつでもあり、自分ではただのフケなのか、それとも病気なのかわからない場合も多いです。
基本的な処方薬は菌の繁殖を抑える「抗真菌剤」
脂性フケは先程も書きましたように、常在菌が増えすぎることによって起こります。
そのため、菌の繁殖を抑える薬である「抗真菌剤」を処方されることが多いですね。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
ニゾラール | ケトコナゾール | ニゾラールクリーム2% ニゾラールローション2% |
ゲンタシン | ゲンタマイシン硫酸塩 | ゲンタシン軟膏0.1% ゲンタシンクリーム0.1%など |
抗真菌剤として有名なのは「ニゾラール」で、ジェネリックである「ニトラゼン」が処方されることもあるでしょう。
頭皮がかゆいならかゆみ止めを処方される。ステロイド入りのことも
乾性フケと同様、頭皮がかゆいという症状が出ている場合はかゆみ止めが処方されることもあります。
ステロイド入りでなければ乾性フケのトピックで紹介しました「レスタミンコーワ」や「オイラックス」、その他内服薬が処方されることになるでしょう。
ただしかゆみが強い、脂漏性皮膚炎に近い症状の場合は「ステロイド」が含まれたかゆみ止めが処方されることもあります。
ステロイドについてや、ステロイドが含まれたかゆみ止めについては次の脂漏性皮膚炎のトピックにて詳細を解説しますが、ステロイドは副作用が出る可能性があるため長期間使うことが出来ません。
ですので、かゆみがそんなに強くない場合はステロイドが入っていないものをお願いするといいかもしれませんね。
もちろん何も処方なしでアドバイスのみで終わることもある
特別症状がひどくないなど、処方箋を出す必要がない場合は、乾性フケと同様に「こういった商品を使用してケアをしてください」といったアドバイスのみで終わることもあります。
その際も
- かゆみ止め(市販品であればムヒなどが有名です)
- フケ・かゆみ防止のシャンプー
あたりが紹介されるかと思います。
また、洗浄力が強いシャンプーで洗髪することにより、頭皮の皮脂が取れすぎてしまい、逆に皮脂を分泌しすぎているため脂性フケの症状になっている方もいます。
そんな方には保湿方面のアドバイスももらえるかと思います。
殺菌の薬を貰えば菌の繁殖が少なくなって頭皮の状態も戻るというわけか。
薬だけじゃなくアドバイスがもらえるのも嬉しいところだな!
頭皮の皮脂によって菌が繁殖する「脂漏性皮膚炎」の治療法
ここからは、フケの原因が頭皮環境の悪さだけではなく、疾患に分類されるものの治療法になります。
最初にご紹介しますのは「脂漏性皮膚炎」という皮膚の疾患です。これは脂性フケと似たような症状、つまり頭皮などがベタつき、脂っぽいフケが出るのですがそれ以外にも
- 頭皮だけでなく耳や鼻もかゆい
- 頭皮が赤くなっている
- 耳や鼻の周囲が皮脂によってベタついている
という症状が出ている場合は「脂漏性皮膚炎」の疑いがあります。
脂漏性皮膚炎ってどんな病気なの?
脂漏性皮膚炎は脂性フケと同様に、皮脂が多く分泌されることによって常在菌であるマラセチア菌が異常に繁殖することで引き起こされる疾患です。
髪の毛を洗ってもすぐにベタついてしまったり、頭皮のみにとどまらず眉毛や鼻の周りも赤く、かつ皮膚がポロポロ細かくはがれるような症状が出るのが特徴です。
命に関わるような疾患ではありませんし、自然治癒することも多いので気づかずに脂漏性皮膚炎になっていることも多いです。
が、症状が進むと頭全体がフケだらけになってしまったり、顔だけでなく首や胸、背中など汗をかきやすい部分がカサカサですぐ皮がむけてしまうようになったり、皮膚の一部が赤くなることがありますので、早めの治療をおすすめします。
処方される薬は抗真菌剤とステロイド剤
処方される薬は基本的に「抗真菌剤」と「ステロイド剤」です。
抗真菌剤を処方する理由は脂性フケのトピックにて書いた理由と同様で、菌の繁殖を抑制するためです。
そしてかゆみ止めとして処方されるのが「ステロイド剤」です。
人間の体内で作られるホルモンのうちの「副腎皮質ホルモン」の中の「コルチゾール(代謝や免疫に関わる非常に人体にとって大切なホルモン)」を人工的に作り、薬品としているのがステロイドです。
ステロイド剤にはstrongest、very strong、strong、mild、weakと5段階の強さがあり、強ければ効果も強いですが副作用も強くなります。
副作用は皮膚が薄くなる、ニキビが出来やすくなるなど様々で、副作用防止のためにステロイドの使用は必ず医師の指導の元行われます。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
リンデロン(強さ3) | ベタメタゾン吉草酸エステル | リンデロン-V軟膏0.12%、ベトネベート軟膏0.12%など |
リドメックスコーワ(強さ2~3) | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル | リドメックスコーワクリーム0.3%、 リドメックスコーワローション0.3%など |
デルモゾール(強さ2) | リンデロン-VG(製) | デルモゾールGローション、デルモゾールG軟膏など |
かゆみが強い場合に処方されるもので、全ての脂漏性皮膚炎の方に処方されるというわけではありません。
また、ステロイドと抗真菌剤がひとつになった薬(リンデロン-VGクリームなど)もあります。
処方される場合は、きちんと医師の指導を受けて、自己流の使い方はしないようにしてくださいね。
内服薬として抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤なども
上記の外用薬に加えて、内服薬(錠剤など)として「抗ヒスタミン剤」や「抗アレルギー剤」が処方されることもあります。
どちらもかゆみ止め目的として処方されるもので、2つには以下のような違いがあります。
抗ヒスタミン剤 | 抗アレルギー剤 |
---|---|
アレルギー症状に対処する | アレルギー反応の予防 |
また、脂漏性皮膚炎はビタミン不足といった生活習慣からも引き起こされる疾患であること、皮膚の代謝を促しターンオーバーを活性化させる目的でビタミン剤(ビタミンB2・B6)を処方されることもあります。
その他生活習慣の指導などもある。治療の目安は1ヶ月半ほど
薬の処方だけでなく、生活習慣やシャンプーの指導なども合わせて行われることがあります。
特に他の疾患と違い、脂漏性皮膚炎は生活習慣が原因となりやすいので納得できるところです。
マラセチア菌に効果があるシャンプー「コラージュフルフルネクスト」なども一般販売されていますので、そちらを使ってみてもいいかもしれませんね。
他にも様々な頭皮環境に合わせてオススメのシャンプーをこちらの記事に掲載していますので、ぜひご覧ください。
【内部リンク:3記事目(シャンプー)へ】
また、治療の目安は大体肌のターンオーバーとなる1ヶ月~1ヶ月半程度です。とはいえ完治すれば二度とかからない、というわけでもないのでその点は気をつけて日常のケアを行うようにしたいですね。
脂漏性皮膚炎によく似た別の病気のケースも
脂漏性皮膚炎とよく似ているけれど、実は違う疾患だった、というケースもあります。
それは「粃糠(ひこう)性脱毛症」。乾燥したフケが毛穴を塞いでしまい、菌が繁殖して毛根の炎症を引き起こしてしまうという疾患です。
こちらも原因となるのが脂漏性皮膚炎と同様に菌であること、そして脱毛という症状が出ることが共通しています。
しかし脂漏性皮膚炎は出るフケが脂性フケなのに対し、粃糠性脱毛症は乾性フケであるなど症状には細かな違いがあります。
治療として脂漏性皮膚炎と同様にステロイド剤やビタミン剤が処方されますが、こちらもセルフケアで症状を抑えたり緩和させることが十分に可能です。
気づかずにいたら脱毛する可能性もあるのか…恐ろしいことだ!
しっかりと治療して頭皮環境を整えておくべきだな。
頭の水虫「頭部白癬(しらくも)」の治療方法
続いては、「頭部白癬(しらくも)」の治療方法をご紹介します。
- 頭皮がかゆい
- 抜け毛が増える
- 円形脱毛症のように脱毛部分ができる
- 頭皮が赤く腫れる
- 大量のフケが出る
といった症状が出ている場合、頭部白癬にかかっている可能性があります。
頭部白癬ってどんな病気?症状は?
頭部白癬は、一言で表せば「頭の水虫」です。水虫とは「白癬菌」という真菌のひとつが足の指や爪に感染したもので、それが頭部(頭皮)に感染すると「頭部白癬(しらくも)」となるわけです。
水虫の人が履いたスリッパを履くと水虫がうつることがあるように、頭部白癬も他人にうつってしまうので注意が必要です。
人から人への感染だけでなく、猫や犬といったペットからの感染経路もあります。家族が水虫じゃないから安心、というわけでもないんですね。
どちらかというと子供がかかりやすい病気ですが、大人でもなる可能性は十分にありますので注意しておきたいところです。
頭部白癬に感染してしまうと、フケのようなものが大量に発生します。その正体は「鱗屑(りんせつ)」という、うろこ状のかさつきが剥がれたものです。
加えて頭皮の一部で髪の毛が薄くなり、円形脱毛症のように見えることもあります。ただ円形脱毛症は頭皮がつるりと毛根が見えないような感じですが、頭部白癬の場合は根元で髪の毛がちぎれてしまうため、抜け毛部分に黒い点が見えるという違いがあります。
先程、症状のひとつに「頭皮のかゆみ」を挙げましたが、かゆみはおだやかなことが多く、全くかゆみが出ないことも多いです。そのため症状に気づかず放置されがちでもあります。
病院ですぐ治療を。抗真菌薬の外用薬が基本
頭部白癬は感染する病気ですので、できるだけ早く病院にて治療をしてもらうことをおすすめします。
基本は抗真菌剤を使うこととなり、以下のような外用薬が処方されることが多いでしょう。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
メンタックス | ブテナフィン塩酸塩 | メンタックスクリーム1%、メンタックス外用液1%など |
ラミシール | テルビナフィン塩酸塩 | ラミシールクリーム1%、ラミシール外用液1%など |
外用薬だけでは効果が出ない場合や、症状が重い場合は外用薬だけでなく内服薬も使用することになります。
名称 | 成分 | 薬品名など |
---|---|---|
イトラコナゾール | イトラコナゾール | イトリゾールカプセル50、イトリゾール内用液1%など |
ラミシール | テルビナフィン塩酸塩 | ラミシール錠125mgなど |
治療期間は長め。家庭でもしっかり予防を!
完治するまでの期間は状態にもよりますが、数ヶ月~半年程度と考えていればOKでしょう。
ただ、いくら治療をしていても家庭にて症状を悪化させるようなことはしてはいけません。
- 毎日洗髪をする(シャンプーは抗真菌成分があるものを)
- 枕カバーをこまめに変える
- 家族に感染者がいないか検査してもらう
- タオル・帽子・くし・ブラシなどの貸し借りはしない
など、日常生活で気をつけることは結構多いです。
特に自身が感染しているのであれば、他人にうつしている可能性もあります!
同居している家族がいるなら、一度感染していないかチェックをしてもらうといいでしょう。
仮に家族も感染していた場合、同時に治療しなければまた感染してしまうかもしれません。ペットも同様ですので、感染していたら早めの治療を行いましょう。
しかも家族が感染していたら、そちらも治療しないとまた再発する可能性もあるのか。
治るまでに期間も要するし、早めの治療を行いたいところだな。
原因が不明な皮膚の病気「尋常性乾癬」の治療法
最後に、通院が必要となる頭皮の病気は「尋常性乾癬」です。
- フケが銀色っぽい
- 頭皮に赤く盛り上がっている部分がある
- 発疹のようなものが出来ている
上記のような症状が出ている場合、頭皮だけでなく他の部位に出ていても尋常性乾癬の疑いがあります。
※※乾癬の特集記事がございます。詳しくはこちらをご覧ください。
尋常性乾癬は今は4つの治療方法がある
尋常性乾癬の治療法として提示されているのは以下の4つの方法です。
- 外用療法
- 内服療法
- 光線療法
- 生物療法(生物学的製剤)
基本的に外用療法を行いますが、改善状況などに合わせて他の方法も取り入れてみるという流れが一般的なようです。
治療方法を併用する場合もあれば(コンビネーション療法)、複数の治療方法を順次行っていく方法(ローテーション療法)、即効性が高いものから低いものへと移行していく方法(シークエンシャル方法)など、手段のとり方も様々です。
それぞれの治療法はこちらのような感じで、外用療法や内服療法は他の頭皮の病気などでも使われますが、光線療法や生物療法は今回の記事の中では独自の治療法と言えるでしょう。
治療方法 | 内容 |
---|---|
外用薬療法 | 外用薬(塗り薬)を患部に塗布します。
・ステロイド外用薬(炎症・かゆみ止め) などが処方されます。 |
内服療法 | 錠剤やカプセルなどの内服薬を飲みます。
・レチノイド(皮膚細胞の異常増殖を抑制) などが処方されます。 レチノイドは光線療法と組み合わせて使われることもあります。 |
光線療法 | 外用薬で効果がない場合や、発疹の面積が広い場合 この治療法が使用されることがあります。 症状の改善として効果が認められている UVBに含まれる有害物質を取り除いた |
生物療法 | 注射や点滴などで、免疫昨日に関わる伝達物質 「サイトカイン」に働きかける薬剤 (生物学的製剤)を直接体内に入れます。 他の治療法では効果がなかった方でも |
日常生活でも予防・治療のために意識することは多い
尋常性乾癬はその原因は不明ですが、生活習慣によって症状が悪化してしまうことがわかっています。
とはいえ特別なことをしなければならない…というわけではありません。おおまかに言ってしまえば
- ストレスを溜めない
- バランスの取れた食事を取る(カロリーの高い食事は避ける)
- 入浴はぬるめのお湯に
- 乾燥を防ぐ
- できるだけ日光に当たる
といったものです。特にストレスを溜めないというのは重要で、ストレスは乾癬を悪化させる大きな原因と言われているくらいなんです。
皮膚トラブルを防ぐためにはこれらには気をつけておかなければならない、と言えるのではないでしょうか。
しかし様々な治療法があるし、症状が出ない状態を維持することもできるから悲観することはなさそうだ。
うまく付き合ってできるだけ症状を出さないようにしたい疾患だな。
もしかしたら意外な原因かも。心配になったらまず皮膚科へ
フケは生きている中で大きさや量は違えど必ず出ているものですから、フケの量が少々多くなったところであまり気にする人も多くないかもしれません。
しかしやはり「前に比べてかなりフケの量が増えた気がする」「フケも増えたし頭もかゆい…」など以前と違う部分を感じたら、一度自分の頭皮環境を見直すタイミングと言えるでしょう。
「ただのフケで病院に行くなんて」と思うかもしれませんが、きちんと医師に診察してもらうことで精神的にも安定します。
心配になったらまず近くの皮膚科でいいので、一度診察してもらうことをおすすめしますよ。
疾患となるとやはりきちんと治療をしたほうがいいが、なかなか症状を自覚しにくところが難だ。
「もしかして」と思ったらまずは検査してもらうといいぞ!