頭皮の毛が抜けてしまう、いわゆる脱毛という現象ですが、年を取ってしまえばある程度は仕方ないものなのか…と諦めている人はいませんか?
確かに、年齢を重ねれば色々な所に衰えは現れます。頭皮の脱毛もその1つであることは間違いありません。が!実は加齢以外にも脱毛を引き起こしてしまう原因があるのです。
それが、内臓の病気によるものですね。ちょっとハゲてきた?そんな時に「年のせいか…」と思っていると気づかないうちに病気が進行してしまうかもしれません。
病気の早期発見の為にも、そして病気を予防して脱毛対策をする為にも、病気と脱毛の関係をしっかりと理解しておきましょう!
内臓の病気で脱毛!?4つの病気と脱毛のメカニズムとは
脱毛を引き起こす原因の1つが、内臓の病気です。脱毛と関係する病気はいくつかあります。
- 貧血
- 拒食症
- 腎不全
- 甲状腺機能不全
それぞれの病気がなぜ脱毛を引き起こすのか、そのメカニズムをご紹介しましょう。
貧血になると毛根に必要分の酸素が供給できない!
貧血と言うと、どうしてもめまい・立ちくらみといった症状を意識しがちですが、貧血が続くと脱毛の症状が表れることがあります。
貧血になると、毛根への血流も不足し髪の成長・発育に必要な酸素が供給されなくなってしまうためですね。
頭皮の血流が十分である、スムーズであるということは、髪の成長にとって非常に重要なのです。
拒食症で十分な栄養が取れないと毛髪も栄養不足に!
拒食症とは、摂食障害の1つで食べる事や太ることに対して過剰な抵抗を感じるというものです。どんどん食事量は減り、食べたとしても吐いてしまう、下剤で出してしまうという状態になってしまうこともあります。
当然、体重は減少する一方ですし、栄養が摂れていないことで病気へのリスクも高まってしまいます。拒食症になると全体的な栄養が不足してしまうため、当然髪に必要な栄養も不足してしまうわけです。
↓
髪に必要な栄養も不足する
↓
髪が痩せ、弱くなる
or
発毛力が失われる
↓
抜け毛の増加
or
新しい髪が生えてこなくなる
↓
脱毛してしまう
このような状態になってしまうということです。
尿毒素とホルモンバランスの乱れが原因!?腎不全と脱毛の関係
腎不全など透析が必要になるほどの疾患を腎臓に抱えてしまうと、その合併症として脱毛が起こる場合があります。
腎不全が進行すると
①肌に対して
皮脂腺という皮膚に脂を出すところと、汗線という汗を出すところがうまく働かなくなることがあります。
そのため、肌がかさかさになり乾燥による、かゆみが出たりします。
②毛髪に対して
・尿毒素が直接毛根に影響する
・ホルモンのバランスが崩れる
この2つの理由により、脱毛などの症状が発生する事があります。
腎臓の機能が失われてしまうと、通常は排出されるべき老廃物(尿毒素)が残ってしまい、体に悪影響を与えてしまいます。この尿毒素が、毛根に影響を与えて脱毛を引き起こしてしまうということですね。
甲状腺ホルモンが不足すると髪の発育不良に!
甲状腺機能不全による脱毛の原因は、甲状腺ホルモンにあります。甲状腺機能が失われてしまえば、当然甲状腺ホルモンの分泌をストップしてしまう事になりますよね。
甲状腺ホルモンには、髪をつくる毛母細胞を活性化される働きがあります。つまり、甲状腺ホルモンが不足すると、毛母細胞の働きも抑制されてしまって髪の成長を阻害してしまうのです。
甲状腺ホルモンは、髪と大きく関わっているということを覚えておきましょう。
病気になってしまえば年齢関係ないということではないか!?
脱毛が気になり始めたら病気である可能性も視野に入れねば…
内臓疾患による脱毛は治療で改善可能!まずは病院へ
内蔵疾患・病気によって引き起こされる脱毛もある、ということを紹介しました。実はこれらの脱毛は病気を治療すれば改善することも多いのです。
つまり、脱毛を改善するためには病気の治療を速やかに行うということが重要になるわけです。上記に挙げた4つの病気について、その治療方をご紹介しましょう。
貧血は鉄錠などの投薬治療が基本
貧血の基本的な治療法は、鉄分の錠剤を内服するというものです。最低でも2~3か月の服用が必要だと言われていますので、医師の指示のもとしっかりと飲むようにしましょう。
勝手に自分で飲むのを中断してはいけません。早く完治させたいのであれば、根気強く飲み続けてくださいね。
また、貧血では脱毛以外にも次のような症状が表れます。
- めまい
- 立ちくらみ
これらの症状に加えて、脱毛が気になるようになった場合は受診してみると良いですね。
拒食症は本人の意識を変えることがカギ!周囲の協力が必要な病気
拒食症の治療には、特効薬があるわけではありません。
また、拒食症では脱毛以外にも次のような症状が表れます。
- 体重の著しい減少
- 生理が来なくなる
- むくみ
拒食症の原因は、精神的なところによることがほとんどです。ストレスを抱えてしまえば、それもまた脱毛を引き起こす要因となってしまいますので、しっかりと治療をするようにしたいですね。
腎不全の治療は多種多様!症状に応じた治療を
腎不全の治療は1つではありません。高血圧になった場合は降圧剤、むくみがある場合は利尿剤、尿毒素を吸着させるクレメジン、カリウムの排出を促すカリウム吸着剤など、症状に応じて様々な薬を処方されるのです。
また、食事制限も行われます。
- 十分なカロリーを摂る
- 塩分を控える
- 適切な水分量を摂る
- タンパク質・カリウム・リンの摂取を控える
これらのことに注意しなければいけません。
また、腎不全では脱毛以外にも次のような症状が表れます。
- むくみ
- 貧血
- 食欲低下・嘔吐
気になる症状がある場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
甲状腺機能不全には、長期的な甲状腺ホルモンの投与治療が基本
甲状腺機能不全になると、甲状腺ホルモンが低下してしまいます。ですから、甲状腺ホルモンを補うためにホルモンを飲み続ける必要があるのです。
甲状腺ホルモンは、短期間で回復するものではなく半年~数年という時間がかかる場合もあります。その間、しっかりとホルモンを補わなければいけません。
また、甲状腺機能不全では脱毛以外にも次のような症状が表れます。
- 皮膚の乾燥
- 疲労感
- 体重増加
- 無気力
- むくみ
甲状腺機能不全の場合、様々な症状が表れる可能性があるということを覚えておきましょう。
まずは脱毛以外の症状が出ていないかチェックだ。
気になるところがあればすぐ病院へ行くぞ!
加齢による脱毛は密度とホルモンが原因!?
脱毛は加齢に伴って起こる、と言うイメージが強いのではないでしょうか。確かに、加齢による脱毛は多くみられますね。その要因としては、次の2つが考えられます。
- 髪の密度が減り薄くなってしまう
- 男性ホルモンによる脱毛(男性型脱毛症)
年齢を重ねてくると、どうしても体の様々なところに衰えが出てきます。毛髪もそうですね。若いころと比べて細く弱くなってしまう事で、同じ本数合っても薄く見えてしまうわけです。
AGAについて
男性型脱毛症の中でも、AGAは男性ホルモンであるジヒドロテストステロンが原因となって引き起こされれる脱毛です。AGAになってしまう原因は、まだはっきりと解明されているわけではありません。
5αリアクターゼが男性ホルモンをジヒドロテストステロンに変え、皮脂腺の受容体を結びつくことで皮脂分泌を促したり、毛母細胞に影響を与えて育毛を抑制したりしてしまいます。
治療にはフィナステリドが効果的だと言われていますが、やはり個人差はあるようですね。しかし、病院に行って、医師の指示に従うようにすることが治療への第一報であることに間違いありません。
※※ジヒドロテストステロンについて、詳しく知りたい方はコチラ
まぁ老いというものは避けられないからな。
皆、私のようにいつまでも若々しくあって欲しいものだ!
脱毛の原因は他にも!?ストレスで抜け毛が起きる理由とは
脱毛の原因は、加齢や内臓疾患だけではありません。ストレスによって引き起こされる抜け毛もあります。有名なのは、円形脱毛症ですね。
円形脱毛症は、自己免疫機能が毛髪を攻撃することで脱毛が起こるというものです。
自然治癒することもありますが、進行が進めば慢性的な脱毛になる恐れもあります。
治療法としては、ステロイドホルモンを使用するなどして、自己免疫機能を抑制する方法が取られます。
※※ストレスと抜け毛・薄毛の関係について知りたい方はコチラ
髪のことを心配し続けるのも、ストレスに繋がるから気をつけなければ。
いや、私は大丈夫だと思っているのだがな、念のためだ。
原因は様々!自分の脱毛原因を知ることで正しい予防・対策を
脱毛が気になり始めた時、とうとう始まったか、年取ったからな、なんて諦めてはいけません。もし、その脱毛が内臓の病気によって引き起こされているのだとすれば、病気を治療することで脱毛も改善することが可能なのです。
もし、脱毛が病気のサインだとすれば、病気を治すきっかけにもなりますよね。病気を放置していて良いことは1つもありません。ちょっと抜け毛が気になる、そんなときは病気である可能性も視野に入れておきましょう。
何か気になる症状があれば、病院に行って正しい判断と適切な治療を受けるようにしたいですね。そして、「脱!脱毛」を目指してください。
お、恐ろしい!
話を聞いているだけで、毛が抜けそうなんだぜ!
思い当たる症状があるのであれば、すぐに病院に行ったほうがいいぞ!
この世の中に、自分自身ほど信じられないものは無いからな!(遠い目)