誰でも年齢とともに、髪の毛に関する悩みは増えていくものですよね。抜け毛や薄毛も大問題ですが、白髪にもお困りの人も多いのではないでしょうか。特に、元々黒髪の日本人は白髪が目立ちますし、老けて見えてしまうこともあって、1本の白髪も気になるものです。
でも、そんな厄介な白髪は、どんなことが原因で生えてきてしまうのでしょうか?そんな疑問にお答えすべく、白髪の原因やメカニズム、髪の毛以外の毛も白髪になるのか等々、白髪の基本的な成り立ちについてご説明します。
人によっては、薄毛よりも若い年代から身近に感じることも多いであろう白髪問題について、ぜひ基本的な情報を知っておいてくださいね!
黒かった髪が白髪になるメカニズムと原因とは?
私たち日本人の髪は、個人差はあるものの黒が基本ですよね。それが、なぜ白髪になってしまうのでしょうか?まずは、黒かった髪が白くなってしまうメカニズムについてご説明します。
もともとの髪が黒いワケ
髪が黒いのは、髪の毛の中にメラニン色素があるからです。
髪の断面図を見てみると、このようになっています。日本人はこのようにメラニンがまんべんなく点在しているため、髪が黒く見えるのです。
そのメラニンがどこから現れるかというと、毛包の根元付近にある「バルジ領域」と呼ばれる部分です。そこには髪の毛を作る毛包幹細胞とともに、色素幹細胞も存在しています。
そして、この色素幹細胞がメラニンを供給して髪を黒くしているんです。
メラニンがなくなるメカニズム
しかし、この黒髪の元となる色素幹細胞がゲノム損傷し、分化することで色素幹細胞がなくなってしまうとメラニンを作れなくなり、それが白髪の原因となるのです。
ゲノムとはDNAの遺伝情報のことであり、私たちの幹細胞はそれをもとに同じ幹細胞を複製していくわけですが、何らかの影響でゲノムが損傷してしまうと、自己複製ができなくなります。
色素幹細胞がなくなる原因とは?
白髪になる生理的なメカニズムとして、ゲノム損傷による色素幹細胞の枯渇が背景にあることはご理解いただけましたか?それでは、どんなことがゲノムを傷つけ、色素幹細胞を枯渇させる要因となるのでしょうか?
色素幹細胞が枯渇するもっとも大きな原因は、やはり加齢です。
つまり、細胞が老化することが白髪の大きな原因と言えます。しかし、若い人にも白髪が生えることはありますし、加齢だけが色素幹細胞を失くしてしまう原因ではありません。
加齢だけが白髪の原因ではない!?
加齢以外にも、色素幹細胞を枯渇させてしまう要因になることはたくさんあります。たとえば、以下のようなものが挙げられます。
- ストレス
- 紫外線
- 栄養不足
- 睡眠不足
- 遺伝的に色素幹細胞が弱い
- 病気
ストレスや睡眠不足はメラニンの働きを悪くしますし、栄養不足は髪の成分となるタンパク質の不足につながります。
こういった生活習慣は、年齢にかかわらず白髪の原因となります。
しかも、これらは同時にハゲのリスク要因でもあります。白髪とハゲの関係についてはこちらをご覧ください!
また、食生活やストレスなどに問題がないのに、急に白髪が増えたと感じたら、甲状腺や胃腸などに病気が隠れているサインかもしれません。気になる方は一度病院へ行くことをおすすめします。
色素幹細胞がなくなる原因は歳やストレスだけじゃなく、生活習慣も関係しているのか!知らなかったぜ!
白髪になる年齢や量に男女差はあるの?
白髪になるメカニズムと、それを引き起こす要因についてご紹介しましたが、ここからは白髪に関する男性と女性の差についてお話していきます。
白髪になる年齢は?
先述の通り、食べ物や睡眠不足、ストレスなどによって自律神経を乱してしまうことも白髪の原因になりますが、やはり一番よくあるのは年齢とともに白髪が増えていくことです。では、男性と女性では白髪が生えはじめる年齢に違いがあるのでしょうか?
実は、白髪は男性の方が女性よりも早く生えてくると言われています。
とはいえ、白髪が生えはじめる年齢は個人差が非常に大きいのですが、平均すると男性は30代前半、女性は35歳頃から白髪を気にする人が増えてくるようです。
また、女性の白髪の場合、年齢を重ねていても、黒髪と交ざって全体的にはグレーに見える人が多いですが、男性では真っ白になる人も珍しくないですよね。つまり、量的にも男性の方が白髪が多い傾向もあるのです。
なぜ男性の方に白髪が多いの?
では、なぜ男性の方が女性よりも早く白髪になり、白髪の量も多いのでしょうか?はっきりしたことは分かっていませんが、
- 女性ホルモンが少ないこと
- 慢性的なストレスがあること
これらのことが影響しているのではないかと考えられています。
女性は出産や産後の育児で一気に白髪が増えることがありますが、このようなケースでは再び黒い髪に戻ることも多いんです。一時的なストレスなら、状況や体内のホルモンバランスが元に戻れば、白髪も改善する可能性があるということですね。
男性の場合は、仕事などのストレスが慢性的に続くことが女性よりも割合的に多いことや、頭髪に関連が深い女性ホルモンが少ないことが、白髪が早く多くなる要因と考えられます。
男女ではホルモンバランスも違うし、不規則な生活になりがちなのも白髪につながるってことだな!
まずは鼻毛から!?白髪になる部位にも順番があった!
ここまで、髪の毛の白髪についてお話してきましたが、白くなるのは頭の毛だけではありません。この際ですから、他の部分の毛が白くなるということについても、知っておきましょう。
全身の毛に白くなる可能性がある!
繰り返しになりますが、白髪は毛包周辺にある色素幹細胞がなくなり、メラニン色素が作れなくなるというメカニズムによって生えてきます。
人間は全身の毛に毛包を持っていますから、その中の色素細胞がなくなってしまえば、髪だけでなく全身どの場所の毛でも白髪になる可能性があるのです。
白髪になる順番とは?
髪だけでなく体毛も白髪になることをお話しましたが、実は白髪になる部位にも順番があるんです。全身の毛を含めて考えると、以下のような順番で白髪になっていくことが分かっています。
鼻毛は鼻の中に隠れているので見つけにくい分、気づく人も少ないのかもしれませんが、実際は髪よりも先に鼻毛が白くなるのですね。ということは、鼻毛に白髪を発見したらすぐ予防を始めれば、髪の白髪を防げるかもしれませんね。
でも、どの部分の毛であろうと、白くなっても何もおかしいことはありませんので、ご安心ください。
眉毛まで白くなったら、仙人みたいで逆にカッコいいかもな!
老化で色素細胞がなくなることが白髪の原因!
抜け毛とともに気にしている人も多いであろう白髪ですが、その原因は加齢であるというのが一般的なイメージですよね。
もちろん、それは間違いではないのですが、色素幹細胞が老化して黒い色の元となるメラニンが作れなくなってしまうことが、白髪の直接的な原因です。そして、その引き金となるのはストレスや生活習慣など、加齢以外にも様々なものがあるのです。
男性の場合は特に、恒常的なストレスや不規則な食生活、睡眠不足などが引き金となりやすく、白髪のリスクが高いとも言えます。有効な対策(→最適な白髪対策とは?白髪を抜くのは絶対NG!)を練るためにもこれらの原因をしっかり理解しておきましょう。
若い人だってストレスをため込んだり食事や睡眠をおろそかにしたりすれば、髪の色の元を作る色素幹細胞が早々に枯渇して、白髪になっちまうこともあるってことだな!